豪州政府は台湾海峡で起こり得る「最悪のシナリオ」を想定し、中国に対抗する日米を支援するための備えを急ピッチで進めている。豪メディアのオーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)紙が16日に報じた。
同紙は、豪軍の情報筋の話として報じた。それによれば、有事の際には、豪軍の駆逐艦を米空母打撃群に派遣することや、日米の作戦のために上空援護を提供する可能性などが軍内部で議論されているという。
同国のアンガス・キャンベル(Angus Campbell)国防軍司令官は、インドで開催された多国間フォーラム「ライシナ・ダイアローグ(Raisina Dialogue)2021」のオンライン会議の中で、台湾海峡での紛争は同地域の人々にとっては「破滅的」であり、この状況を避けなければならないとし、中台の対話による解決を求めた。
また、豪防衛当局者も、同国が台湾を守るために、すでに同地区での紛争を想定した多く計画を持っていると、豪メディアに述べた。
具体的には、コリンズ級潜水艦、対潜哨戒機P-8A、空中給油機 A330MRTTの派遣やグアム、日本の米軍基地に豪空軍のF/A-18E/F部隊を展開させることを検討中で、さらにオプションとして最も政治的リスクが高い米空母打撃群へのホバート級駆逐艦派遣も浮上しているという。
豪シンクタンク「戦略政策研究所(ASPI)」の防衛・戦略および国家安全保障の研究主任であるマイケル・シューブリッジ(Michael Shoebridge)氏は「台湾海峡での紛争に直面した時、豪州は必ず米国と日本の側に立たなければならない。北京に対抗できる唯一の方法は、決して分裂しないことだ。もし我々が米日のようなパートナーをサポートしなければ、彼らも我々をサポートしてくれない」と指摘した。
さらに同国のクリストファー・パイン(Christopher Pyne)前国防相も12日に、インド太平洋地域で米中が武力衝突する危機が急激に高まっているとし、台湾で戦争が勃発する可能性があると警告した。
同氏はまた、「国として、いかなる形式の戦争であっても、回避することが国防と外交政策の最優先事項である。我々を米、日、印などの同盟国から引き離すことは不可能だ」と述べた。
今月初めにも、米国の上級外交官が、米豪両国が台湾での軍事衝突を防ぐために、緊急対応のための計画について協議していると明かしていた。
(大紀元日本ウェブ編集部)