中国軍当局は19日、昨年6月に中印国境地域で両国軍が衝突したことで、中国側の兵士4人が死亡したと公表した。死亡人数の公表は、昨年の衝突以来、初めてのことだ。
中国軍機関紙、解放軍報は19日の報道で、昨年6月のインド軍との衝突で、祁発宝・団長(連隊長)が重傷を負い、陳紅軍・営長(大隊長)と兵士の陳祥榕氏ら3人が死亡したと発表した。共産党中央軍事委員会は、祁氏に「衛国戍辺英雄団長」、陳氏に「衛国戍辺英雄」の称号を授け、陳氏ら3人に一等功労章を与えた。
昨年6月15日、インドと中国の両軍は、国境を争うヒマラヤ山脈地帯のガルワン渓谷(Galwan Valley)で45年ぶりに衝突を起こした。一部の報道では、中国軍の兵士は、くぎが付いている鉄の棒などでインド軍兵士を殴り、インド軍側は石などを投げて反撃したという。当時、インド政府は、少なくとも20人のインド軍兵士が死亡したと発表した。
中国当局側の死傷者の公表はなかった。
USニューズ&ワールド・レポートは昨年6月16日の報道で、米情報機関の情報では中国軍の死傷者が35人いるとした。インドメディアのANI通信は、中国側に43人の死傷者が出たと報じた。
中国当局は、衝突の発生から8カ月経って死亡者を公表した。しかし、発表された死亡者数は、実際の数より少ない可能性がある。
両軍は昨年8月末にも衝突し、また9月にはインド軍側が、実効支配線を越えたとして中国軍側に発砲し威嚇したと伝えられた。
両政府はこれまで、緊張緩和を図るために、会合を9回重ね協議した。直近の会合で、両政府は今月10日、インド北部ラダック地方と中国西部チベット自治区にまたがるパンゴン湖(Pangong Tso)の北岸と南岸から、同時にそれぞれの部隊を撤退させることで合意した。
中国外務省の汪文斌報道官は10日の記者会見で、同合意を「着実に実行する」と述べた。
一方、インドのシン国防相は11日、インド側は中国側との交渉において「譲歩しなかった」と強調した。
(翻訳編集・張哲)
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