中国国家統計局によると、今年大学を卒業した人は874万人に達し、前年比で40万人増加と過去最高を記録した。しかし、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の影響で新卒者の就職難は深刻化しているという。台湾メディア・自由時報は、ある大学生の就職サービスセンターの調査によれば、新卒就職者はわずか25%だったと伝えた。
中国政府もまた、大卒者の就職難に最近言及している。張瑩・中国人材社会保障部雇用促進司長は10月28日、国務院政策の定例会見でこう述べた。「パンデミックの影響を受けて、市場の需要は低下し、2020年度の大卒者は多くの困難に直面した」
また、政府によると、公共部門の新卒採用は280万人程度だという。これは、今年の大卒者総数の30%以上を占める。
いっぽう、公式に発表されたこの就職率が疑問視されている。7月、中国政府は「就労」の定義を拡大した。たとえば、オンラインショップの開設者、eスポーツ(オンラインゲーム)のプレーヤー、ブログ開設者まで「就労者」とみなし、彼らを「柔軟な雇用」に分類した。
これらの人々を就業者数の統計に組み入れることで、就職率を上げようとしているとみられる。
中国国内紙・法制日報の7月の報道によれば、中共ウイルスによる就業市場の萎縮により、一部の大学は学生に対して「柔軟な条件」を含めた雇用先との内定を強いたという。このため、就職率は水増しされていると記事は指摘している。
ビジネス向けのSNSリンクトイン(LinkedIn)と中国グローバル化シンクタンク(CCG)が10月29日、中国大学卒業生の就職についての報告を発表した。それによると、中国では2015~19年の国内修士大学院受験者数は伸び続けており、年平均15%増、19年までの受験者数は290万人で前年比22%増となった。しかし、修士課程の合格率は徐々に低下し、19年の合格率は28%となり、18年比で4ポイント低下した。
「現在、高学歴者が多いので、学部生は専門分野で優位に立っていない。大学院進学の希望者が増えている」と、中国人民大学の教育専門家である程方平氏は、ラジオ・フリー・アジアに語った。
清華大学社会学部の郭於華教授は、「今年は留学の申請がほとんどない」という。今回の新型コロナウイルにより、引き続き影響の残る欧米を避け、また国内就職難のため、学生は「国内大学院」を選ぶという。
(翻訳編集・佐渡道世)
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