米国の大手調査会社ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が10月6日に発表した世界的な世論調査の報告によると、多くの先進国における反中感情は近年ますます強まっており、この1年で歴代最悪を記録した。
同機関の世論調査によると、調査対象の14カ国(米国、ドイツ、フランス、英国、ノルウェー、スウェーデン、スペイン、イタリア、デンマーク、ハンガリー、カナダ、日本、韓国、オーストラリア)で、回答者の大多数が中国に対し「好意的でない」と回答している。
また、米国、ドイツ、フランス、英国、スウェーデン、イタリア、カナダ、韓国、オーストラリアの9カ国の反中感情は、同機関が調査を始めてからの15年間で、過去最悪となった。
中国共産党はコロナ危機に情報封鎖を行った。また、香港や新疆ウイグル自治区における人権侵害が国際的に報道された。さらに、批判を批判で返す好戦的姿勢の外交部報道官の発表は、国際社会からの広範な批判を引き起こした。
中国に対して否定的な見解を持つ14カ国とその割合は高い順番から、日本(86%)、スウェーデン(85%)、オーストラリア(81%)、デンマーク(75%)、韓国(75%)、英国(74%) 、カナダ(73%)、オランダ(73%)、米国(73%)、ドイツ(71%)、ベルギー(71%)、フランス(70%)、スペイン(63%)、イタリア(62%)となっている。
対中問題は、米国大統領選挙の重要な争点となっている。トランプ米大統領は中国指導者に対する批判を強めており、中国による知的財産窃盗問題への対策として外交、貿易、学術、ビザ審査などの規制を強化している。
オーストラリアでは、豪中政府間の緊張の高まりから、中国に対する否定的な考えに転じる人の割合は最も増加した。回答者の81%が「中国が嫌い」と答え、昨年より24ポイントも増加したことが同調査で明らかになった。
今回の世論調査の結果は、国際社会において中国共産党は「ひとりぼっち」であることを浮き彫りにした。さらに、コロナ危機においてマスクや医療資源、ワクチンなどの各国への提供を行なっているが、信頼を得るには至っていない。共産党は国内および海外マスメディアに資金を投じて対外宣伝を続けているが、少なくとも経済主要国ではその効果は出ていない。
(大紀元日本語ウェブ)