カナダ最大の州であるオンタリオ州の議会は、9月30日、中国の建国記念日を祝う中国国旗の掲揚儀式の開催を取りやめた。カナダ人を恣意的に拘束するなど人権侵害を行う中国の国旗掲揚が「馬鹿げている」と反対の声が殺到したためだ。
オンタリオ州議会の守衛長官であるジャッキー・ゴードン(Jackie Gordon)氏は前日、「式典の中止はトロントの華僑団体「トロント華人団体聯合総会」からの要請に応えたものである」とし、「政治とは何ら関係ない」ことを強調した。
連邦保守党の外交評論家であるマイケル・チョン( Michael Chong)氏は、「2人のカナダ国民がいまだに理由もなく中国で投獄されている中、いかなるカナダの政府機関であろうと中国の国旗など、掲げるべきではない」と批判した。
一方、オタワ市議会はカナダと中国の緊迫した関係を考慮し、「中国の刑務所に恣意的に拘束されている2人のカナダ人を応援するため、中国の国旗を市庁舎の外には掲揚しない」と表明していた。
先日、香港と中国に投獄されているカナダ人を支援するイベントを主催し、バンクーバーの中国領事館前で中国国旗を燃やした中国人、沈生さんは、オンタリオ州の中国国旗掲揚のニュースに激怒した。
沈さんは、10月1日は中国人にとって共産党に国を奪われた「国殤日」であるとし、「中国共産党が権力を握って以来、この国は侵食され、衰退と腐敗の一途をたどっている。経済利益のためならば悪魔との取引も厭わない一部の人たちは、カナダ人の人権を踏みにじることを微塵とも躊躇しないだろう」と訴えた。
「カナダ第一主義」を掲げ、対中強硬派としても知られる、カナダの野党・保守党党首のエリン・オトゥール氏(Erin O’Toole)は議会で、トルドー首相の対中政策を批判した。
オトゥール氏は、「貿易と輸出のためならば、カナダは新疆の中国の再教育キャンプを見て見ぬふりをし続けるべきなのか?」「なぜ、われわれは新しい市場を開拓し、『価値観だけは売らない』という決心を中国共産党に示さないのか?」と議会へ質問を投げかけた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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