中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」、ポータルサイト「新浪網」などを運営する中国IT大手、新浪は9月28日、株式の非公開化で合意したと発表した。同社の曹国偉会長が率いる企業が、1株当たり現金43.30ドルで、新浪の発行済一般株式を買収した。これによって、米株式市場に上場している新浪は早くも、来年初めに上場廃止になる可能性が高まった。
中国メディアによると、曹会長がオーナーを務めるNew Wave MMXV Limited(以下はNew Wave)が購入した新浪の株式価値は、25億9000万ドル(約2734億円)だ。今年7月、New Waveは1株当たり41ドル(約4328円)での買収を提案した。1株43.30ドル(約4571円)で合意したことは、New Waveが新浪側の引き上げた買収条件を受け入れたことを意味する。
中国国内では、新浪とNew Waveの間の買収手続きは来年1~3月期に完了するとの見方が広がっている。新浪は手続き終了後に米ナスダック市場の上場を廃止する公算が高い。同社は2000年、米市場の上場を果たした。
新浪の株式非公開化は、米トランプ政権の中国企業に対する上場規制強化と関係するとみられる。過去20年間、新浪などの中国企業は資金調達戦略として、相次いで米株式市場に上場した。しかし、多くは米監督管理当局の会計規定を順守せず、「国家機密だ」と主張し、経営・財務の審査報告書などの書類を提出していなかった。
今年5月20日、米上院は、外国企業が3年連続して、米国の公開企業会計監視委員会(PCAOB)の監査基準に満たなかった場合、または違反した場合、米国で上場廃止とする外国企業説明責任法(Holding Foreign Companies Accountable Act)を可決した。6月、トランプ大統領は、中国企業を対象に財務の透明性などを調査する方針を示した。
一方、新浪は引き続き、中国当局のネット検閲を行っている。2010年6月13日、「新浪網」の総編集長を務める陳彤氏は「3G無線新媒体産業発展フォーラム」で、微博について、「両方三審制度」を実施していると明らかにした。この制度では、ネット検閲を担当する監視員と投稿や文章を編集するスタッフが連携し、随時に検閲対象の文章や投稿について連絡を取り合っている。すべての編集者には通報する義務があり、24時間監視し、「良くない情報」を削除し、投稿者を封殺しなければならないという。
(翻訳編集・張哲)