国内への生産回帰を支援する政府の補助金に申請が殺到している。7月末までの第2弾では、申請した企業の件数が約1700件となった。日本企業の「脱中国依存」が一段と加速していることがわかった。
経済産業省の発表によると、6月末までの第1弾で応募した90件の申請に審査を行った結果、57件の約574億円分を採択した。7月22日までの第2弾の公募では、1670件の1兆7640億円の申請があった。政府は今後、第三者委員会での厳正な審査を行い、10月中に採択結果を発表する予定。
政府は今年4月7日、中共ウイルス流行の緊急経済対策関連の「令和2年度第1次補正予算」の中に、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」として2200億円を、「海外サプライチェーン多元化等支援事業」として235億円を計上した。
第2弾の応募金額規模は、第1補正予算に示された補助金総額2200億円の約8倍となった。応募した事業の件数も第1弾の約18倍だ。
中国では、中共ウイルスの感染拡大を受けて、各地で外出・移動規制措置が実施され、生産活動や物流機能が停止し、中国からのサプライチェーンが完全に寸断した。この中、各国でマスクなどの医療物資が不足しているのを利用して、中国当局が「マスク外交」を行い、各国への影響力を拡大させようとした。それを受けて、日本や欧米各国の政府は、企業に対して生産拠点を国内などに移すよう呼びかけ、支援を始めた。
一方、中国市場調査会社、北京大軍智庫経済諮詢公司の仲大軍氏は米ラジオ・フリー・アジアに対して、日本企業が中国撤退を加速した理由について、中共ウイルスのまん延で「収益が大幅に減少したことにあるのでは」と分析した。
2018年に米中貿易戦が開始以降、ニコン、オリンパス、オムロン、日本電産などの日本企業は相次いで、中国での工場を閉鎖し、生産ラインを他国に移管した。
(編集・張哲)
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