台湾の吴钊燮(ジョセフ・ウー)外相は9日、ツイッターでソマリランドの駐台代表Mohamed Omar Hagi Mohamoud氏が台湾に到着したことを発表した。台湾とソマリランドが2月、2カ国間議定書に調印し代表処の相互設置に同意した。一方、中国がソマリランド政府に圧力を掛け、翻意を促したが、拒否された。
外相はツイッターの投稿で「中国からの圧力を恐れず、Mohamed Omar Hagi Mohamoud氏は無事7日台湾に到着したことを確認した。主権と友情は売り物ではない」と投稿し歓迎の意を表明した。
Mohamed氏も同日、自身のツイッターに、「7日夜に無事に台湾に到着した。台湾外務省から温かく迎えられ、そしてソマリランドと台湾との関係は永遠に強固なものである」などの内容を投稿した。
同氏はさらに、「ソマリランドはすべての国と良好な関係を築くことを望んでいるが、我々と民主主義的価値観を共有できる国はより特別な意味を持つ」と強調した。
台湾外交部は以前、「台湾とソマリランドは公式代表機関を相互設置することで合意しており、その名称はそれぞれ「台湾代表処」(Taiwan Representative Office)と「ソマリランド代表処」(Somaliland Representative Office)」と発表した。
その約1週間後、米ホワイトハウスの国安保会議(NSC)は、「この時期に台湾とソマリランドが友好関係を構築することを肯定する」コメントをツイートをした。
ソマリランドは1991年にソマリアからの独立を宣言し、現在に至るまでどの国や国際機関からも正式に「国家」として承認されていない。
台湾外交部は同国を「台湾と民主主義や自由の理念が近い国家」だとし、「ソマリランドが『実質的に独立した』国であることや、8つの国や国際機関に駐在員事務所を設置していること」などを指摘した。
台湾とソマリアの関係構築を妨害するために、中国外務省から派遣された高官の代表団は4日の夜にソマリランドの首都ハルゲイサに到着し、同国のアブドラヒ大統領と会談した。中国代表団は「道路や空港のインフラ建設や同国に連絡事務所を設置する」などの一連の開発計画を提案し、その条件に同国は台湾との関係を直ちに終了させることを要求した。
しかし、アブドラヒ大統領は中国の要請を拒否し、中国代表団に対し、「ソマリランドは台湾との関係を断絶しない。台湾との国交強化に取り組んでいる」と伝えた。
台湾当局はこれまで、ソマリランド代表が台湾に到着した後、正式な看板除幕式の日程について話し合いを行うと明らかにしたが、最新の進展としては「感染症流行がもたらす変数を考慮に入れた上で、事務所設立に関する事項を8月か9月中に完了させる予定である」と数日前発表した。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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