中国自動車大手の東風汽車グループでは6月、高官2人が相次ぎ失脚した。軍用車の大規模汚職事件と関連しているという憶測が最近、ネット上に出回っている。
東風グループは6月28日、特殊装備事業部の副責任者、周旺生氏を「重大な法律違反の疑い」で調査していると発表した。
その20日前にも、同社の前副チーフエンジニアである陳建賢氏が、同じく「重大な法律違反の疑い」で捜査を受けていた。二人とも特殊装備部門に所属していることが、注目されている。陳建賢氏は第3世代高機動多目的装輪軍用オフロード車『東風猛士』の開発チームの中心メンバーでもあった。
公開資料によると、陳氏は、同社の技術センターの副所長と特殊装備事業部(東風オフロード車)の副ゼネラルマネージャー、軍用車研究開発センターの所長などのポストも兼任している。
二人の失脚は当時、特に注目されなかったが、最近「ネット上で話題になっている軍用車の大規模汚職事件に、軍用オフロード車を製造する東風が絡んでいる」との憶測が流れている。
米国を拠点とする民主活動家の韓連潮氏は最近、「中印の国境紛争に絡む汚職事件について」ツイートした。投稿に添付された2枚のチャットのスクリーンショットによると、「東風グループの『東風猛士』に使用されるはずの1トン数万元もする高品質の特殊鋼材が、数千元の低価格の鋼材に交換され、見返りとして会社のトップから生産部門のトップまで、1人6千万元が配られた」という。
汚職が発覚した発端は中印国境で起きた衝突事件にあった。衝突のなか、中国側の軍用車の車体が貫通され、兵士が死亡したため、軍が車両の製造メーカーである東風グループを訴えた。その後、軍は東風の軍品供給資格を取り消し、車両5千台を返品した。「このような腐敗は中国内では当たり前の事であり、戦争になれば日清戦争よりも悲惨な結果になるだろう」と韓氏は書いた。
この投稿はツイッターでも話題となり、「中国軍にとって珍しい事ではない」との声が多数寄せられている。
ツイッターユーザー「Ravenclaw」は、北京の某駐屯地の兵士の話として「東風装甲車をほとんど使っていない。品質が特に悪いからだ。少しでも寒くなればドアが開けられないことがあるし、細かい問題も多い。軍隊は相変わらず腐敗している」と書き込んだ。
あるツイッターユーザーは、「これは何も珍しい事じゃない。中国軍にいる友人が『中央政府から国防事業に与えた総額数十億元の予算の3分の1でも最下層の施工部隊に渡れば良いほうだ。施工部隊が使用している工事設備は、時代遅れのものが多く、結果的に事故が頻発している』と言っている」と投稿した。
「これは軍の不正行為の氷山の一角に過ぎない。これでロケット打ち上げの失敗が続いている理由を説明できる」と書き込んだ人もいた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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