中共ウイルス(新型コロナウイルス)の抗体を検出するための血液検査キットが、日本を含む米国のいくつかの研究所で開発されている。 各国政府は、このテストによる結果を、経済の再始動時期を決める目安になることを期待している。しかし、一部の科学者は、抗体は100%の免疫力を保証するものではないと懸念を抱いている。
現在、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の検査は2種類あるという。1つは、体内にウイルス感染した核酸があるかどうかを調べる検査。もう1つは、抗体があるかどうかを調べる血清検査だ。
血清検査により、抗体が体内に存在すると分かった場合、患者はウイルスにさらされ抗体を産生していると考えることができる。少なくとも、ある程度の免疫力を身につけていると理解できる。 しかし、専門家によると、検査で抗体を持っていることが分かったとしても、再び感染しないという100%の保証はないという。
米エモリー大学医学部のカルロス・デル・リオ部長も先日、メディアの取材に対して「体内に抗体があるからといって、免疫があるわけではない」との見解を述べた。
米国立アレルギー・感染症研究所の研究者である盛宗梅博士によれば、現在の新型コロナウイルスに感染している人の多くは「全く症状がない」感染者が多い。「これらの人々は軽度または無症状だが検査は陽性を示すかもしれない。しかし、どのくらい抗体が体内にあるのか。この抗体は、感染を確実に防ぐために、どのくらいの期間、体内に留まることができるのか、まだ明らかになっていない」とした。
抗体検査の精度の低さと免疫についての医学的な懸念は、社会活動を再開させる政府の計画を妨げる可能性がある。抗体検査のデータは、公衆衛生の専門家が、どのくらいの人がウイルスに感染しているのかを正確に理解し、地域の流行の予測モデルを調整するのに役立つ。全国的な抗体検査は、少なくとも部分的には経済活動を再開できる時期を当局が判断する目安の一つになる。
しかし、科学者たちは、ウイルス感染から回復しても、免疫が備わるという証拠はないとしている。
米国立衛生研究所のスコット・ベッカー最高経営責任者(CEO)は、現在市場に出回っている抗体検査製品は、品質に問題があるものも含まれていると指摘した。
現在、抗体検査薬を製造している企業の半分は中国にある。
盛宗梅氏は、高齢者、医療従事者、緊急対応者、警察などのグループが優先的な抗体検査の対象になるとした。しかし、それ以外の人々は、行う機会があるなら受けるのも可能だが、その有効性を疑問視している。「少なくとも今は感染していないことを知ることはできるが、明日も明後日も、感染しないという保証はない」
(翻訳編集・佐渡道世)