米教育省、ハーバード大学などに中国からの献金情報の開示要求

2020/02/14
更新: 2020/02/14

米国教育省はハーバード大学とイェール大学に対して、中国など外国からの献金情報を開示するよう求めた。同省が2月12日に発表した声明によると、イェール大学の未申告の外国資金は少なくとも3億7500万ドルにのぼり、過去4年間も申告していないという。

ハーバード大学では、化学および化学生物学部の学部長チャールズ・M・リーバー教授が、中国湖北省の武漢理工大学との関係を隠していたとして、米捜査当局に逮捕・刑事起訴されている。教育省は事件を受けて、同大学が外国資金の管理に不備があり、法律に則った外国組織からの寄付と契約申告を怠っていると批判した。

ノーベル化学賞候補にもなった化学者リーバー教授は1月に逮捕された。教授は、中国政府主導の海外ハイレベル人材招致プログラム「千人計画」に参加し、武漢理工大学から毎月5万ドルおよび潤沢な研究支援金を受け取っていたが、同時に契約していた米国国防総省と国立衛生研究所(NIH)に報告していなかった。

ハーバード大学とイェール大学は、教育省による調査の通知を受け取り、対応を準備中だという。

教育省は2月12日、ハーバード大学へ書簡を送り、中国、カタール、ロシア、サウジアラビア、イランの各政府に関連する寄付や契約を明らかにするよう求めた。また、華為技術(ファーウェイ)、ZTE(中興通訊)、孔子学院などの外国企業や機関からの寄付や契約も開示するよう大学に要求した。同時期、イェール大学ロースクールのポール・ツァイ記念中国センター、ジャクソン国際関係論大学院に外国からの資金を開示するよう求めた。

米国内法によると、米大学は、外国から年間、一回または複数回にわたって総額25万ドル以上の寄付金を受け取った場合、教育省に報告する義務がある。

教育省は12日の声明で、国内の大学が米国と敵対的な政府、組織、個人から積極的に資金を集めることに苦言を呈した。「外国の寄付提供者は、研究結果を盗み、外国政府に有利な宣伝をする機会を探っている」と警告を発している。

教育省は2019年7月以降の調査で、米国の大学が中国、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦から65億ドルの外国資金を受け取っていることが判明したと述べた。

米国上院調査委員会2019年の報告書によれば、孔子学院の運営組織で、中国教育部傘下の国家漢語国際推進指導小組弁公室(漢弁)から資金を受けている米学校の約70%が、教育省にその契約内容を報告していない。

同委員会は、孔子学院を運営する100あまりの米学校の2012年1月~2018年6月までの財務記録を調べた。その結果、漢弁は、1億1000万ドル以上を直接提供していたことが明らかになった。

近年、北米で最初の孔子学院を開設したメリーランド大学を含む、多くの米大学が孔子学院の閉鎖を決めた。

(翻訳編集・佐渡道世)