台湾、香港市民に人道支援を実施へ 移民申請が増加

2019/08/20
更新: 2019/08/20

中国当局は19日、香港の抗議者を支援すると表明した台湾政府を痛烈に批判した。台湾の蔡英文総統は前月、台湾政府に保護を求める香港市民に対して、個別に人道的な援助を提供すると表明した。

与党民進党がこのほど発表した声明によると、政府は「人道的援助」の形で、今後、来台する一部の香港市民に「個別に支援するよう」外務省など各政府機関に指示した。

台湾の対中政策を担当する行政院大陸委員会は、「香港マカオ条例」に基づき、最善の方法で処理するとした。

台湾は現在、政治亡命の申請者を保護する制度がない。しかし、中国共産党政権に反対する活動家などの居留権を認めている。

中国の対台政策を所管する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は19日、民進党に対して「香港事務の介入を止めるよう」要求し、「(台湾政府が)香港に危害を加える一部の急進分子の勢いを助長しようとしている」と猛烈に非難した。

同日、蔡総統は訪台したオーストラリアのクリストファー・パイン前国防相と会見した際、民主と自由を求める香港市民を応援すると再び表明し、香港情勢の悪化を懸念した。総統は、中国と香港両政府に対して「智慧と誠意を持って対立を解決するよう」呼び掛け、「(台湾政府は)関心を持っているが、介入はしない」と強調した。また、天安門事件のような武力鎮圧に発展する可能性を念頭に、「誤った判断を下さないように」と中国政府に呼びかけた。

台湾移民署の統計によれば、今年1月から6月までに、1497人の香港市民が台湾の居留ビザを、611人が定住者ビザを申請した。前年同期比でそれぞれ28.3%増、25.4%増となった。現在、政治亡命を申請した香港市民がいるのかは不明だ。

ブルームバーグ19日付は、香港警察による抗議者への過剰な実力行使で、台湾への移民を考えている香港市民が増えていると報じた。台湾の徐国勇・内政省長官は、過去数週間で香港市民からの移民申請は少なくとも3割増えたと話した。

(翻訳編集・張哲)