香港デモ、参加者の「護身術」マスクにゴーグル 「雨傘運動」から教訓

2019/06/14
更新: 2019/06/14

12日に香港で行われた「逃亡犯条例」改正案に反対するデモで、マスク、ヘルメットとゴーグルを着用する参加者の姿が目立っていた。警察の催涙弾から自らを守るためである一方、顔認証で個人情報が収集されることを防ぐためでもある。

AP通信の取材に応じた、匿名希望の女子大学生は12日、アドミラルティ(金鐘)付近で抗議活動に参加した。地下鉄駅を出ると、すぐマスクを着けた。香港政府、または中国共産党当局が個人情報を収集している可能性があるからだ。

「すべての人がマスクを使用している。誰がこの情報をどう利用しているか分からないから」

自己防衛策は徹底的に講じられた。参加者は現金で地下鉄のチケットを購入する。ICカードは便利だが、乗車駅と下車駅などの使用履歴が自動的にデータバンクに送られてしまうからだ。

中国共産党政権は本土で顔認証、歩く姿認証で政府にとって「不都合」な個人を特定している。反体制派やウイグル人などを監視するために使用している。

香港に数千台の監視カメラがあり、香港のマスコミも連日、抗議者の様子を放送している。

一方、年配者はそれほど気にしていない様子だ。街頭で香港長官の退陣を求めるビラを配布していたある大学教授は「(個人情報について)あまり考えていない。ただ若者は気をつけたほうがいい」と話す。

「香港でも、警察があなたを追跡したり、夜、ご自宅にやってきたりする可能性がある」

また、催涙弾の発射に備えて、参加者には事前に塩化ナトリウム液入りのペットボトルが配られた。煙が目に入ったときの洗浄液として使われている。催涙弾が落ちると、被害拡大を防ぐために、参加者は迅速に水などを掛けて煙を消している。

AP通信は、これは2014年に起きた民主化デモ「雨傘運動」から得た教訓だとした。「デモへの対処はますます洗練された」と記事で述べた。

 

(翻訳編集・李沐恩)