中国、P2P破綻で自殺者増加 軍にも投資者多数で軍が警戒

2018/09/13
更新: 2018/09/13

中国で多発する「P2P」金融業者の経営破綻の余波は軍にも及んだ。軍人に多数の投資者がいるとみられ、軍当局は安定に影響を与えかねないとして、実態調査に乗り出した。いっぽう、政府の対応に不満だった浙江省出身の女性投資家が7日、自殺した。

10日、ネットに流出した軍の通知に「ネット金融の軍の安定に及ぼす影響に留意すべきだ」と書かれている。投資活動の早期中止や大損した軍人の自殺防止などについて言及した。

中国当局が7月6日に公表した『2018年上半期P2P発展監測報告』によると、今年の上半期において、すでに721社のP2P業者が閉鎖となった。

各地で元投資家による陳情や抗議デモが拡大するなか、中国当局は鎮圧と報道規制を強化している。そんななか、政府の対応に不満だった浙江省出身の女性投資家が7日、自殺した。

女性は生前、P2P金融プラットフォーム「票票喵」に26万元以上を投資した。8月6日、同業者が倒産を発表した。その後、抗議活動に参加し、翌日の早朝、女性は首つり自殺を図り、死亡した。

女性は遺書で、「お金」ではなく、「この国に対して大いに絶望した」と自殺の理由を説明した。「子供の時から、愛国愛党の教育を受けた」のに、「われわれを鎮圧する警察は、陳情者よりも人数が多かった。暴力で陳情者を追い払った」のを見て、「心のバランスが崩れた…希望が見いだせなくなった」。

女性には9歳の息子がいる。遺書で、息子に対して「よく勉強して、大人になったら外国に移民してください」と書き残した。同様の自殺者は10人ほどいると、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。同記事によると、「票票喵」が破綻するという情報を事前にキャッチした国有企業・華安基金の子会社は保有する株を全部売り切ったという。華安基金は証券監督当局、証券監査委員会が設立した5つの基金管理会社の1つ。

RFAは内情を知る人の話として、「軍人の投資者は少なくないが、厳しく抑えられている」と報じた。「軍の安定に影響を及ぼしかねないので、当局は神経を尖(とが)らせている」

(翻訳編集・張哲)