ベトナム政府がこのほど、現地台湾企業に対して中華民国の国旗「青天白日満地紅旗」の掲揚を容認したことが分かった。台湾メディア「中央社」が28日に報じた。
ベトナムでは近年、国民の反中感情が高まっている。2014年5月、中国企業が南シナ海で石油を掘削し、これに抗議する大規模なデモが、ベトナム各地で起きた。一部の抗議者が暴徒化し、漢字の看板を掲げる企業を標的に破壊行為を繰り返した。中国企業のほかに、台湾、香港と日本の企業も大きな被害を受けた。
中央社の報道によると、同国に拠点を置く台湾家具メーカー、凱勝家具の羅子文総裁は、ベトナム人が中台企業を区別できるよう、ベトナム政府が同社に対して台湾の国旗の掲揚を容認したと話した。
同社の工場は14年5月反中デモで、暴徒化となった市民の襲撃を受け、約100万ドル(約1億1100万円)の被害が出たという。ベトナムの台湾企業協会、台湾商会聯合総会などの関連団体が、ベトナム政府と交渉した結果、同国政府は、凱勝家具への賠償措置として、一部の税金免除を約束した。
羅氏によると、これまで台湾の国旗を掲げた場合、ベトナムの警察当局が、中国当局からの圧力で、国旗降ろしを要求してきた。「現在、このようなことは起きていない」
ベトナムでは6月上旬、経済特区設置で中国資本の流入と、外国企業による経済特区での99年間土地租借に反発し、ハノイ市やホーチミン市など各地でデモが行われた。
(翻訳編集・張哲)