中国の習近平国家主席は27日、訪中したジェームズ・マティス米国防長官と会談した。両氏は、米中関係を重視するとあらためて強調し、米中両軍の意思疎通や協力を強めていく姿勢を示した。しかし、中国政府系メディアは、米中が意見対立する南シナ海、台湾、北朝鮮問題について会談の詳細には言及しなかった。米国防長官の訪中は4年ぶりだ。
マティス国防長官はこの日、習主席との会談に先だって、中国の魏鳳和・国務委員兼国防相とも会談。
中国共産党機関紙・人民日報の報道では、魏国防相は米側に対して、台湾・南シナ海・北朝鮮問題に関する中国の立場を再び強調したと、簡単な報道にとどまった。
今回の訪中の前、長官は記者団に対して、南シナ海について中国訪問の主要議題だと述べた。中国の南シナ海の人工島での軍事施設建設について、米が引き続き圧力をかけていくとした。
中国政府系メディアの報道から、南シナ海、台湾など米中双方の主張は引き続き対立していると推測できる。
習主席はマティス国防長官に対して、「祖先が残した領土は一寸たりとも失うことはできない」と強調し、南シナ海に関して中国は譲歩しないと示した。
また、習氏は米中両軍の関係は現在、良い発展の流れを保っており、今後もその流れを維持していくと述べた。また、米中関係は「世界で最も重要な2国関係の1つだ」とし、「両国の良好な関係を発展させることは世界の平和、安定と繁栄に有利だ」と述べた。
一方、ロイター通信によると、マティス国防長官は習主席に対して、中国で「非常に良い議論ができた」と述べた。また、「米中両軍の関係は、米中関係においても非常に重要だ」と話した。長官は、魏鳳和・国防相の訪米を招請した。
マティス長官はこれまで、中国の南シナ海での軍事要塞化を批判してきた。米国防総省が5月、米軍が主催する多国間海上演習「環太平洋合同演習(リムパック)」の中国軍の招待を取り消すと発表した。また、今月上旬シンガポールで開かれた国際会議において、米政府による台湾への武器売却を続けると改めて表明した。中国当局は強く反発した。
マティス長官は、28~29日韓国と日本の訪問を予定している。北朝鮮の非核化をめぐって、両政府高官と意見交換するとみられる。
(翻訳編集・張哲)