香港終審法院(最高裁に相当)は6日、2014年大規模な民主化運動「雨傘運動」を主導し、違法集会に問われた元学生団体リーダーの3人に対して、2審の実刑判決を取り消し、16年8月の一審判決を支持する判決を言い渡した。元学生リーダーは即時釈放された。リーダーの1人は釈放後、「2審判決は覆されたが、(民主化運動に関して)完全な勝利ではない」と厳しい見方を示した。
香港当局は、学生団体「大学連合会(学連)」元代表の周永康氏(27)と元幹部の羅冠聡氏(24)、「学民思潮」元リーダーの黄之鋒氏(23)に対して、「雨傘運動」で政府本部に不法侵入したとして、15年8月に起訴した。
16年8月の1審判決では、3人がそれぞれ執行猶予付きの3週間禁錮刑と社会奉仕を言い渡された。
昨年8月の2審判決では、香港高等法院(高裁)は3人に対して、1審より重い禁錮6~8カ月の実刑判決を下した。
最高裁は6日、3人に「違法集会と暴力の疑いがある」という高裁の判決文の一部を認めた。さらに、公共秩序混乱に関する罪の厳格な適用基準を認めながらも、その基準を黄氏ら3人にさかのぼって適用することは誤りだと判断した。
香港最高裁は、香港市民に対して政治的抗議活動、いわゆる市民的不服従(Civil Disobedience)を容認する一方で、「非暴力的」と強調した。
一方、黄之鋒氏と羅冠聡氏は最高裁の「暴力行為があった」との認識を否定した。「(雨傘運動中)終始平和的で、市民に傷害を与えるいかなる行為もしていなかった」と話した。
黄氏は、最高裁の判決は「勝訴したが、依然として重い判決であることに変わりないので、喜べない」と語った。
最高裁は、今後のデモに対しては厳格な基準を適用し、違反すれば実刑を言い渡すこともあると通告している。
周永康氏は、本当に暴力的なのは中国当局に支配されている香港政府の体制だと批判した。周氏は、これまでの民主化運動では、市民や学生らは政府との対話を求めてきたが、香港当局は一度も応じていないと指摘した。
黄氏ら3人は、香港当局が今後の民主化運動に対して一段と厳しい姿勢を見せると懸念する。しかし、3人は引き続き平和で非暴力的な方法で、民主化活動を続けていくと表明した。
米国共和党と民主党の国会議員12人は2日、周永康氏、羅冠聡氏と黄之鋒氏が香港の政治改革と香港人による自決権の拡大を図り精力的に活動してきたとして、3人を今年のノーベル平和賞候補に推薦した。
(翻訳編集・張哲)
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