データ改ざんのやりすぎ?スモッグ監視機に噴霧 設置ビルが氷結=中国寧夏

2018/01/23
更新: 2018/01/23

寧夏回族自治区石嘴山市の環境当局はこのほど、スモッグ監視データを「改善」するため、連日、大気汚染監視システムが設置された自局庁舎ビルの周辺で噴霧放水を行ったが、気温の急低下によって建物全体が凍結してしまった。

23日付けの複数の中国メディアによると、高圧噴霧放水砲を搭載した「霧砲車」が同局ビルに向けて作業している様子と氷に覆われたビルを収めた2枚の現場写真が、中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(微博、Weibo)」に投稿され、大きな話題となっている。

投稿のコメント欄には、写真は12月初めに撮影されたもので、建物の屋上には大気汚染監視システムが取り付けられているため、同環境局が高圧噴霧放水砲を搭載した「霧砲車」で「データ改善」を図ったが、思いのほか最低気温が下がり、一気に氷点下10度になり凍結したなどが書き込まれた。

寧夏回族自治区環境当局は16日の発表で、石嘴山市環境局の関係部署が建物に向けて噴霧放水を行ったことで、大気汚染監視システムの正常な作動を妨害したと認めた。市民の批判をかわすため、石嘴山市当局は20日、事件に関与した幹部2人を警告処分とした。

中国各地で大気汚染監視データの改ざん事件が相次いでいる。中国の環境省は14日の公表で、昨年9月から10月にかけて、江西省新余市と河南省信陽市に設置された2つの大気汚染常時監視システムが、付近で行われた噴霧放水の影響で正常に作動しなかったことを指摘した。

昨年12日2日朝、西安市で気温が氷点下2度まで下がったにもかかわらず、市環境当局はスモッグを軽減する目的で、依然として散水車を出動し市内で水をまき散らした。その結果、路面凍結によって道路状況が悪化し、乗用車など車両38台が絡む衝突事故が発生した。

中国では深刻な大気汚染に対する国民の不満が高まっている。当局は危機感を募らせている一方、監視データの改ざんに躍起になっている。また、大気汚染観測部門は行政部門から独立せず、行政部門の指示や制約を受けるため、信ぴょう性のある客観的な観測データを生み出すメカニズムを欠いていると指摘されている。

 

(翻訳編集・王君宜)