中国福建省厦門(アモイ)市で4日に開催された新興5カ国(BRICs、ブリックス)首脳会議で、インド側は、中国が提唱したエジプトなどを加えた「BRICsプラス」に反対したと伝えられた。
第9回となる今年のBRICS首脳会議には主要5カ国(中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカ)のほかに、メキシコ、エジプト、タジキスタン、ギニア、タイの5カ国の首脳も参加した。
中国当局は、他の途上国との連携を強化するために「BRICsプラス」モデルを提唱している。同モデルを通じて、BRICs加盟国以外の国や周辺国との経済的連携を強化していくと示している。
香港紙・蘋果日報は4日、インドは中国の同提案に異議を唱えたと報道した。
また、インドメディアもこのほど、「BRICsプラス」にインドなどを含む複数の新興国が反対したと報じた。
米サウスカロライナ大学の謝田教授は、中国はBRICsに新たな国の参加を認めることによって、BRICsでの発言権を強めていきたい狙いがあると指摘した。
世界人口の約4割、世界経済の約2割を占めるBRICsの首脳会議は2009年以降、年1回のペースで開催されている。
しかし、新興5カ国の共通的ニーズや理念がなく、それぞれの国の世界的影響力がまだ高くないため、BRICs首脳会議は、主要先進7カ国首脳会議(G7)や主要20カ国首脳会議(G20)と比べて注目度が低い。
香港メディアは、新興5カ国の経済・社会構造が異なり、各政府の外交姿勢も大きく相違しているため、BRICS内部では足並みをそろえるのは難しいとした。
一方、4日中国の習近平国家主席とインドのモディ首相は、首脳会議開始前に約「10秒間」と異例の固い握手をした。国内外に、両国の和解をあらためてアピールする狙いだ。
中国当局とインドの両軍は6月中旬から8月末まで、両国の国境地帯でにらみ合いが続いた。一時的、両軍の軍事的な衝突の可能性もささやかされた。
インドはBRICsの主要国で、出席しなければ、中国当局が威信をかけたBRICs首脳会議の開催は失敗に終わる。これを回避するため、中国当局とインドは水面下で交渉し和解に至ったとみられる。
(翻訳編集・張哲)