最近、中国医療サービス企業が大都市の公務員30万人を対象に行った健康診断で、9割以上が何らかの健康目安とする数値に問題を抱えていることがわかった。特に、肥満および高コレステロールとそれぞれ診断されたのは全体の5割に達した。ネットでは「公務で肥えた」と皮肉るコメントが相次いだ。
中国の医療サービス「愛康国賓」による健康検査によると、血管、新陳代謝機能、消化機能、肥満など16種類の健康指標で92%の公務員が「異常」と診断されていた。
過去の調査でも、公務員には高コレステロール、高血圧、脂肪肝、糖尿病の疾病率が高いと指摘されてきた。
多くの公務員は、「異常」は1項目にとどまらず、約60%の人は3項目以上に該当。26.6%の人には5項目以上にチェックがついたという。
専門家 肥満は過度な飲酒と関連
調査によると、高コレステロール値と高血脂、肥満と診断された人はそれぞれ全体の半数以上だった。また、男性公務員は女性公務員より不健康であることがわかった。5割の男性公務員は脂肪肝をわずらっていた。専門家は、これらの疾病は肥満と過度な飲酒と関係すると指摘する。
注目するべきは、公務員のなかでも役人など役職が上がれば比例して健康指数に「異常」となる人が多かったという。今回の調査で、3項目で異常と診断された役人は79%におよぶ。その比率は毎年増加しているという。
地域別では、3項目で異常と診断された人が多かった地区は、上から順に北京、天津、上海、南京。
調査結果がネットで公開した後、インターネットでは相次ぎ皮肉なコメントが上がった。「公務で肥えているのか」「毎日、人民の血と汗の結晶を奪って太ることができるなんて」「待遇は厚くて、仕事は暇、食事は肉と魚、住む場所には困らない。太らない道理はないね」
公務員対象の健康調査で、飲酒と肥満の問題があることが指摘されたのは今回が初めてではない。中国教育部は2012年、調査機関に委託して1.5万人の公務員に健康調査を行った。調査結果について、英フィナンシャルタイムズは中国の公務員は「社交の場で飲酒の機会が多いため、肥満と各種疾病のリスクは高い」と指摘した。
世界保健機関(WHO)によると、中国は1.1億人の糖尿病患者がいて、糖尿病予備軍とされる生活習慣病が約5億人。別の研究では、中国の肥満人口は9000万人に達するという。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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