中国当局が公表した経済統計に関して、海外メディアや専門家は絶えずその信ぴょう性を疑問視してきた。国際環境保護団体グリーンピース東アジア支部と中国鋼鉄市場情報サイト「中国聯合鋼鉄網」がこのほど共同発表した調査報告によると、中国当局は昨年国内の鋼鉄生産能力を8500万トンと大幅に削減したとしているが、実際にこの数字の大部分はごまかされていると指摘した。米紙「ワシントンポスト」が2月13日に報じた。
報道によると、同調査レポートでは、中国当局が数多くの鋼鉄生産工場を閉鎖したと発表したが、実際にほとんどは以前から生産稼働が行われておらず、遊休設備ばかりだったと示された。
グリーンピースは、当局が発表した8500万トンの生産能力削減のうちの73%が遊休設備で、残りの27%だけが生産稼働を行っている工場に関係するものだと指摘。
また、8500万トンの生産能力を削減したと同時に、当局は5400万トンの生産能力を再稼働をし、1200万トンの生産能力を新たに稼働し始めた。これによって、昨年中国の鉄鋼生産能力が3650万トンの純増加となり、イギリスの総生産能力の2倍になった。
グリーンピースの専門家は、中国現在の鋼鉄生産能力削減の目標では、深刻な生産過剰問題を解決できないとの見解を示した。「地方政府があらゆる方法で、ゾンビ鋼鉄企業をかばい、政策の影響を低減させようとしているからだ」という。
鋼鉄業の過剰生産で、鋼鉄材料が非常に安価になっていることが中国と欧米や他の国との貿易戦争の種になる一方で、中国国内の大気汚染、PM2.5(微少粒子状物質)の拡大がますます深刻化するとみられる。
(翻訳編集・張哲)
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