「禁韓令」が拡大? 中国当局、韓国ロッテ系列店舗・工場を調査

2016/12/07
更新: 2016/12/07

韓国メディアによると、当局は11月29日から、上海市にあるロッテ中国本部や、各都市にあるロッテ百貨店、ロッテマートの店舗と、ロッテ製菓とロッテ化学の工場、計150か所を対象に抜き打ち検査を行った。ロッテが中国進出を果たして以来、当局の全面的な調査を受けたのは今回がはじめて。

ロッテは11月16日、韓国国防省との間で、THAADの配備用地として、同国南東部の星州郡にあるロッテが所有する「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」のゴルフ場を提供することで合意した。

もともと中国当局は、今年7月上旬、韓国と米国が発表した、朝鮮半島有事を想定して在韓米軍にTHAADを配備するという決定に対して、強く反発していた。それはTHAADのもつ早期警戒レーダー探知機能により、中国軍が配備している弾道ミサイルの場所や発射情報が探知されることが原因だとみられている。

中国はTHAAD配備への報復として、8月からいわゆる「禁韓令韓流禁止令)」を実施し、韓国の芸能人の中国テレビ局への出演、広告でのイメージキャラクター登用、コンサートやイベントの主催など、中国での芸能活動を事実上禁止した。また、韓国ドラマの放送禁止や映画の上演の延期も余儀なくされている。

また、中国当局は中韓貿易において、韓国からの工業製品やアパレル、化粧品、食品などの輸入に対しても、関税率を引き上げたり、税関の通関手続きを厳格化するなど厳しい報復措置をとっている。中国税関当局が韓国の化粧品に対して手続きの不備で通関を不許可にした件数は今年9月までで148件であるが昨年通年件数の130件をすでに超えている。

韓国の産業通商資源部によると、2015年の韓国の対中輸出は全体輸出額の26.1%を占める。中国は韓国の最大の輸出国であり、2番目の米国(全体の12.2%)の倍だという。韓国メディアは、この中国当局の厳しい措置が、近年、経済成長が鈍化し、外需に依存している韓国経済に、より一層のダメージを与えるのではないか懸念している。

 

(翻訳編集・張哲)