このほど閉幕した「6中全会」で中国共産党史上4人目の「党中央の核心」に大躍進した習近平・総書記について、今後強硬な政治運営を行うのではないかと国際社会から懸念の声があがっているなか、大紀元コラムニストは「政治的野心というよりも、現状ではそうせざるをえない」という安堵の見方を示し、内外が注目する今後の指導部人事を予測した。
習氏が最終決定権をもつ「核心」に上り詰めた背景を、夏小強氏はこう分析した。▼習近平陣営は反腐敗運動のもとで進めている政敵・江沢民派との命を賭ける闘いで優勢に転じているが決して油断できる状況ではない、今後、江沢民ら中心メンバーを一掃するには、政治の力がより必要となる。▼政権を揺るがす深刻な汚職を抑制するには、現状の駆け引きの激しい多数決の集団指導体制が、足かせとなっている。
内外の注目ポイントは、早くも来年秋の第19回党大会で決める習近平新指導部の人事に集中している。とりわけ、定年を迎える反腐敗運動の主将である王岐山・中央規律検査委員会書記(党内序列6位)の去就が関心の的だ。夏氏は「習氏は何としても右腕である王氏を政権に留まらせるであろう」とみている。
一部の報道では、朱镕基元総理などの党内元老がすでに連名で王氏の留任を求めている。また、指導部の幹部は政治局常務委員の68歳定年説について「党内の明確な規定ではない」「都市伝説に過ぎない」と公で発言するなど、王氏の続投に向けた世論作りは着々と進められているもよう。
夏氏は「王氏の留任は第1ステップで、それに続いて、習氏は自らの2期10年間2022年までの慣例の任期を延長するであろう」と習政権の長期化を予測した。
中国共産党の歴史において「党中央の核心」という格別な地位を得た指導者は、故・毛沢東氏、故・鄧小平氏、江沢民氏の3人しかいなかった。中国国営メディアが「新な偉大なる闘争と実践を経て核心になられた」と習氏の政治手腕を讃えたことについて、夏氏は「江沢民氏が鄧小平氏に指定されたのと違って、習近平氏は就任後3年以上推し進めてきた腐敗撲滅の戦いで自ら勝ち取った地位だという意味合い」と分析した。
(翻訳編集・叶子)
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