中国人民銀行(中央銀行)が2月7日発表した最新統計によると、1月末時点の中国外貨準備高は3兆2300億ドル(約378兆円)で、前月比995億ドル(約11.6兆円)減少した。2012年以来の低水準となった。また中国国家外為管理局の4日の発表によると、年間ベースでは2015年中国の外貨準備高は5127億ドル(約60兆億円)減少となった。統計を始めて以来初めての減少となった。
ブルームバーグは、外貨準備高の減少は国内経済鈍化、株価急落と資本流出の急増のほかに、中国当局が外貨準備高を資金にして外国為替市場で頻繁に行ったドル売り元買いの介入と関係すると分析。人民銀行が突如人民元の対ドル為替基準値を約3%引き下げて元安に誘導した昨年8月に、同月の外貨準備高が前月比940億ドル(約11兆)減少した。また同12月に過去最高の1080億ドル(約12.6兆円)減を記録した。
一部専門家の間では、市場で人民元が今後一層下落するとの観測が依然に強く、人民銀行が急激な元安を防ぐため、今後外国為替市場でドル売り元買いの介入を続け、月間ベースでの外貨準備高の減少も続くと分析する。
しかし、急速な資本流出に対応して中国当局は相次いで資本流出規制の強化措置を打ち出しているため、今後月間ベースでの外貨準備高の減少幅は縮小されるだろうと、ブルームバーグに対してみずほ証券アジア地域チーフエコノミストの沈建光氏は述べた。
ブルームバーグによると、2015年中国資本流出総額は約1兆ドル(約117兆円)で、14年の7倍に相当する。
(翻訳編集・張哲)
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