輸入製品の原材料が絶滅危惧種の動物を保護するため伐採禁止となっている樹木であることを理由に、フローリング木材販売の米最大手、ランバー・リクイデーターズ・ホールディングス(LL)が1日、米裁判所から罰金1320万ドル(約15億5500万円)の支払いを命じられた。問題となった製品はほとんどが中国製のフローリング木材。
米司法省は同社が販売する中国製のフローリング木材の原材料に、ロシア産モンゴルクヌギが使用されていることを指摘している。この木が生える森林地帯は絶滅危惧種のアムールトラやアムールヒョウなどの生息地となっているため、モンゴルクヌギも保護対象に指定されている。
米国ではレイシー法により違法に伐採された木材の輸入を禁止しており、司法省はこの種の判例における最高額の罰金を科したと発表した。
昨年10月、同社はレイシー法の軽微な違反と、偽造文書を使って製品を輸入するという重大な違反を犯したことを認めている。
今回の判決に関し、司法省の幹部は「今回のケースは、環境法と絶滅危惧種保護法に違反した場合の代償がいかに高くつくかをよく表している」と述べた。
バージニア州に本社を置く同社は全米にチェーン店370店舗を抱えている。昨年には同社が中国から輸入したフローリング木材の一部から安全基準を超える発がん性物質、ホルムアルデヒドが含まれていたことが米国内メディアにより報じられた。
(翻訳編集・桜井信一)
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