中国メディアの報道によると、中国の労働力密集型企業は深刻な不況に陥っている。広東省東莞市にはかつて6000あまりの台湾企業が軒を並べたが、すでに2000社以上が撤退し、今年に入ってから約500万人の労働者が失業した。
1990年代から、台湾では土地価格と人件費が上昇し、労働力不足が深刻となったため、多くの台湾資本が中国本土に参入するようになった。東莞市は潤沢な労働力、土地の安さから、多くの台湾企業が進出してきた。最盛期に台湾企業は6000社を超えたが、その後およそ3分の1が撤退、いまは4000社あまりに減った。それに伴い、定住人口もかつての約1300万人から約800万人まで落ち込んでいる。
複数の報道によると、中国に進出した台湾の大手・中堅上場企業のうち、半数以上が、利益が出ないあるいは赤字経営となっている。中小企業の場合、その割合は70%以上とさらに高い。2013年から、台湾企業は徐々に中国から撤退を開始し、台湾政府の統計では、ここ2年間で中国から引き揚げた資金は15.3億ドルにのぼるという。
撤退の理由として、生産力の低下、製造コストの上昇(税率、家賃、社会保険等の上昇)、厳格なインターネット規制による生産効率の低下、深刻な知的財産権侵害、偽造品の氾濫、重度な環境(空気、水)汚染により製造食品の品質が確保できないことが挙げられている。頻発するストライキやサボタージュも一因とされる。
東莞市の台湾企業だけではない、同市を包括する、中国最大の製造業集積地である珠江デルタ地域の製造業全体が苦戦を強いられている。
同地域では今年に入り大手・中堅企業76社が倒産したと報じられた。ひっそりと姿を消した中小企業はさらに多いとみられる。その多くは、陶磁器、家具、紡績、靴、玩具、紙製包装材、電子機器、LEDといった労働力密集型産業に集中している。
(翻訳・桜井信一、編集・叶子)
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