中国共産党中央党校が発行する『学習時報』は、25日発表した評論記事で「中国政府は適切な時期に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加するべき」との見方を示した。
同記事は、公正かつ開放的で透明性のある市場規則を制定することや、寡占かつ不正当な競争を反対すること、環境保護、行政プロセスの簡易化と行政効率の向上など多くの面で、「TPPの基本規則は中国共産党の改革開放の方向性と一致する」と伝えた。
また、今後TPPの動向に注目し、適切な時期に参加するべきと示した。具体的な時期については言及していない。一方、TPP参加なら、国営企業への影響を慎重に検討するべきだとの見解も示した。
国内の「TPPは米国の陰謀だ。中国をアジア・太平洋地域から締め出し、孤立させる」との一部の論調に対して、同記事は否定的意見を示した。「陰謀陽謀にせよ、中国がどれほどの影響を受けるか、または交渉の代償について、根本的に中国自身の国力にかかっている」と強弁をふるった。
また、中国は米国に劣っている点を4つあげ、「深くて大規模な国内市場、頻繁な対外投資、イノベーション精神と競争力のある企業が多くあること、良好な法治環境」とした。
中国はTPPに参加しなければ、中国製品がTPP加盟国の製品との価格競争に勝つことができないため、貿易額と外貨準備高が激減し、企業の倒産、失業率の上昇、外資企業の撤退が予想される。人口の急速な老齢化、環境汚染の深刻化などの問題を加えれば、景気はさらに失速する。
TPPは加盟国に「自由、民主、法治、人権」との政治体制について普遍的価値観を尊重し、「貿易とサービスの自由、税制の公平、国有企業の民営化、知的所有権の保護、情報の自由」などの加盟条件を満たすことを求めている。
中国がTPPに参加するためには、政治的にも経済的にも、改革の推進が必要だ。最も重要なのは、共産主義を廃棄しなければならないことだ。現在の政治経済体制で、TPPに参加するのは不可能に等しい。
(翻訳/編集・張哲)
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