中国の著名な人権弁護士・高智晟氏は、刑務所で拘留期間中に書き上げた未発表の著書で、共産党の専制政治は2017年に終わると予測していることが明らかになった。米AP通信による5年ぶりの高弁護士へのインタビュー内容でわかった。
敬虔なクリスチャンである高弁護士は、土地収用や貧困者などの弱者を無料で弁護したことで、国内外で名を馳せた。迫害されている気功法・法輪功や地下教会の問題を担当したことで2006年に「国家政権転覆扇動罪」で逮捕された。その後、釈放・収監と自宅監禁が繰り返されている。
2014年8月に釈放された高弁護士の心身は、「破壊」していると伝えられていた。中国在住の家族の話では、歩行が難しくなるほど衰弱し、会話にも支障が出たという。しかし、今回のインタビューでは通常の会話ができるほど回復していた。
「私たちが生きて出所するたび、敵の負けだ」と高弁護士は述べた。迫害にもかかわらず、中国から離れないと決意している。妻と子は、米国難民として保護を受けており、夫の自由を求めて米政府や人権団体へ働きかけている。
書き上げた2冊分の原稿
AP通信によると、高弁護士は現在、実兄と陜西省に住んでおり、警察から日常的な監視を受けている。2014年までに2冊分の原稿を書き上げた。高弁護士によると、文章は出版するために中国国外に送られたという。
1冊めは、3年間の独居房と拷問の苦痛とむごさ、堅い信仰と揺るぎない中国の未来への希望。中国にとどまることは「神が与えた任務」と高弁護士は述べた。
2冊めは、高弁護士が受けた「神の啓示」によると、中国の共産党専制政治は2017年に終わるとの予測を書いた。また民主主義が築かれる計画と、共産党の崩壊について記されている。
「生きるため」拷問で精神離脱を身につける
AP通信のインタビューでは、拷問についても明かされた。電気棒でショックを与える方法では、激痛のあまり、精神が身体から離れる奇妙な体験をしたという。身体から離れた自分は「まるで踏まれた子犬のように吠えていた」という。
精神の離脱は、長年の刑務所生活の中で「生き残るために身につけた特殊能力」だと、高弁護士は述べた。
ノーベル委員会は2008年、人権問題に立ち向かう高弁護士をノーベル平和賞候補に選んだ。中国法律の研究者でニューヨーク大学法学教授ジェローム・コーエン氏は、高弁護士は中国で抑圧を受ける人権弁護士の象徴だと述べた。また、「大胆で、勇敢、実直な人間だ。彼ら(共産党)は容赦なく高氏を壊した」とも述べた。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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