【大紀元日本1月9日】中国の不動産開発、佳兆業集団(カイサ・グループ・ホールディングス) は1日、英金融大手HSBCのタームローンの融資4億香港ドル(約63億円)の返済ができなかったことを明らかにした。ほかの融資、債券、株式についてもさらなる債務不履行(デフォルト)が発生する可能性がある。今年に入って中国の債券市場で初のデフォルトとなった。不動産の低迷に伴い、中国経済全体が脅かされるとの懸念が一段と広がっている。
不動産開発業が窮境に陥る。2014年には、全国不動産会社144社の売上高が前年比で約8%減少し、新築住宅平均価格は約5%下落した。うち半分以上を占める74社は売上の伸び悩み、あるいは減少している。
中国の地方政府の財政収入が土地使用権の売却など不動産に大きく依存している。不動産市場不況を受け、地方政府の歳入が大幅に低下し、GDP(国内総生産)成長率に深刻な影響を与える。2009年から2013年までの5年間に、中国で不動産とインフラ投資の対GDP比が24%に上る。セメントや鉄鋼、金融などの産業を加算する場合、不動産関連需要の対GDP比が35%に拡大した。不動産景気低迷の影響で、2015年には中国経済の衰退傾向が顕著になるとみられる。
中国の高度成長を支えてきた不動産分野では巨大なバブルが発生していると言われる。しかも、不動産市場は需給バランスが崩れ、深刻な供給過剰に見舞われている。西南財経大学経済学院の調査データによると、都市部の空室率が22.4%に達している。これらの空室に総額4兆2000億元(約81兆億円)の住宅ローンが投入されているという
米ニューヨーク市立大学の社会学者である夏明教授は、中国の不動産市場、深刻な供給過剰問題に直面しているため、バブルの崩壊はほぼ避けられないものとし、「中国不動産バブルの崩壊について多くの予測がある。実際には、すでに破綻しているはずだが、中国政府はバブル崩壊を防ぐため、様々な対策を講じてきた」と述べた。
北京理工大学の胡星闘氏は、「不動産は中国経済に計り知れない影響を及ぼす。不動産価格の下落が止まらなければ、銀行の不良債権や地方政府の財政に致命的打撃を与える。中央と地方政府は必ずより多くの救済策を打ち出すだろう」との見方を示した。
中国人民銀行(中央銀行)は昨年、金融機関の貸し出しと預金の基準金利を引き下げた。中国に46都市で4年近く実施されてきた購入制限政策も全面的に緩和された。政府の景気刺激策への期待が高まっているが、今のところ顕著な効果はまだ明らかになっていない。
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