【大紀元日本12月26日】令計画人民政治協商会議副主席の失脚は中国で激震が走った。失脚の理由について様々な憶測が錯綜するなか、巨額な不正蓄財が注目されている。複数の香港メディアによると、令氏の家族は3.8億ドル(約450億円)で京都の豪邸2軒を購入し、日本とシンガポールの銀行に370億元(約7100億円)の預金があるという。
問題の豪邸は京都市東山区にあり、かつて割烹旅館だった木造の二階建てを私邸に改築したという。最高級の木材をふんだんに使用し、「首相官邸にも遜色しない」豪華ぶりだ。豪邸の一つは令氏の息子、令谷氏が所有し、もう一つは弟の令完成氏の名義で登記されている。令谷氏名義の不動産は同氏が2012年の交通事故で死亡したのち、母親の谷麗萍氏に名義変更された。
購入代金は中国のIT大手・方正グループの取引銀行を通じて送金されたという情報もある。同グループの李友総裁自ら口座を管理している。この銀行を通じて、海外の銀行に370億元が送金され、そのうちの100億元(約1900億円)は日本の銀行にある令氏一家の口座に振り込まれ、残りのお金はシンガポールの銀行2行に流れた。
不動産の取引にしてはあまりに巨額なため、令氏一家は不動産購入を通じて資金洗浄を行なっている可能性が浮上している。
これほどの巨財を築いたのは令氏が設立した秘密グループ「西山会」の存在が大きい。山西省出身の幹部と実業家を中心に官商結託の組織を作り上げた。
中国有力経済誌・財経の羅昌平副編集長によると、「西山会」は2007年前後に北京で設立され、会員のほとんどは山西省出身の高級幹部で、中央政治局委員あるいは有力な候補者だった。そのほかには、同省出身の豪商数人だけが入会を認められていた。
すでに失脚した国家発展及び改革委員会(発改委)の劉鉄男元副主任や令氏の実兄で、山西省政治協商会議副主席だった令政策氏、申維辰・中国科学技術協会党組書記兼常務副主席、山西省太原市党委書記(市トップ)の陳川平氏などはいずれも山西省出身で「西山会」の会員だった。
西山会では、幹部ポストの売買が行われており、市長ポストは1000万元(約19億円)で取引されているという。また、山西省で豊富な石炭資源の利権を握り、石炭や電力関係の国有企業と癒着していた。このグループに入会すれば、地位と富が約束されるとまで言われ、山西省以外の幹部も入会を熱望していたという。同会は令計画を中心とする腐敗の温床となっていた。
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