(Feng Li/Getty Images)
【大紀元日本1月28日】中国当局の調査を受けているとされる最高指導部元メンバーの周永康氏ついて、香港誌「明鏡」(電子版)は27日、「少なくとも13人の殺人事件に関与し、29人の女性と愛人関係」とその問題の重大さを報じた。中国国内メディアも25日、周氏の長男の汚職問題を報じた。同氏への調査が確実視され、一族の違法行為が次々と暴露される中、周氏のバックである江沢民グループに近いメディアとされる明鏡は、なぜ「周氏叩き」に便乗したのだろうか。背後に周氏を守りきれなかった江沢民グループが逃げ延びるため、周氏問題の早期解決を図りたい思惑があるとみられる。
明鏡の記事はさらに、「最高指導部メンバーへの盗聴行為も確認されつつある」という衝撃的な内容を報じ、「2月11日に調査が正式に発表される」との情報を伝えた。石油業界で巨額な汚職を行った周氏一族の違法行為はたびたび報じられていたが、そのほとんどが中央紀律検査委員会のトップ王岐山書記と密接な関係にある「財新網」によって報じられていた。これは周氏調査を正式に発表するための地ならしと見なされている。中国当局はこれらの報道について肯定も否定もしておらず、習近平体制は発表のタイミングを見計らっているとの見方が強い。
そうしたなか、国際的なジャーナリスト組織ICIJは21日、習近平国家主席を含む中国指導部の親族らが、海外のタックスヘイブン(租税回避地)に隠し財産を保有していると報じた。同リストに江沢民グループのメンバーの名がないことから、同ブループの関係者が流した可能性は高い。周氏への調査をめぐって、江沢民グループと習陣営との闘争は熾烈さを増している一方だ。
これまでの周氏に関する報道は腐敗だけに言及している。しかし、大紀元が入手した情報によると、周氏には前妻の殺害、政変計画と法輪功弾圧などの容疑が掛けられており、習陣営はその証拠を把握している。また、調査がなかなか正式に発表されないのは、その罪をどこまで公開するのか、習陣営はまだ決断できていないという。
法輪功学習者の臓器を摘出・売買することで暴利を受けた江沢民グループにとって、弾圧問題で追及されると、江沢民まで飛び火するのは必至だ。そのため、江沢民グループは汚職問題で実刑判決を受けた薄煕来前重慶市トップと同様に、周氏問題に早期決着を付けたい思惑がある。すっかりトカゲの尻尾となった周氏。その処分をめぐって習近平は難しい匙加減を迫られている。
仏国営ラジオ・RFIは27日の記事で、「周氏の調査の正式発表は2月11日より遅れる可能性がある。先送りになればなるほど、罪状が重くなる」との見方を紹介した。
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