【大紀元日本12月17日】中国共産党最高指導部の前メンバーの周永康・前政法委書記について、軟禁や司法機関への引き渡しが伝えられているなか、大紀元も司法関係の元高級幹部から、周氏逮捕の情報を入手した。同氏の容疑から死刑の可能性が指摘されており、容疑にかかわったとされる中央軍事委員会の元ナンバー2の徐才厚副主席も取り調べを受けていると報じられている。
大紀元が得た情報によると、周氏が逮捕されたことはすでに高級幹部の間で周知されている。周永康事件の現在の焦点は、いつ、どの形で、どの容疑を発表し、事件の関係図をどの範囲に収めるかとのところにあるという。
周氏の容疑として伝えられている政変への関与に、元中央政治局常務委員の曾慶紅氏や羅幹氏の名も上がっている。薄煕来受刑者とともに江一派の重鎮である2人に加え、一派の中心に据える江沢民氏にも矛先が向かっている。指導部はいま、周氏と3人との関わりをどのように扱うかについてまだ意見が一致していないと同情報筋は話した。
薄受刑者と共謀し習近平・李克強に取って代わるという周氏の政変内容を詳しく伝えた香港誌・明鏡は、現在把握している容疑で、周氏の死刑判決も十分に可能だと報じた。アップルデイリー紙も「内幕は外部の想像を超えている」とし、事件の重大さを伝えている。
同紙はまた、周氏の政変計画に関与したとして、前中央政治局委員で中央軍事委員会の元ナンバー2の徐才厚副主席も取り調べを受けていると報じた。徐氏は江沢民氏が中央軍事委員会主席を務めていた2004年に副主席に抜擢され、胡錦濤氏が江氏から軍権を引き継いだあとも、軍部の人事権などの実権を握り、江氏の息のかかった行動を取っていた。
今年3月にも香港紙・明報が、同氏は部下となる総後勤部の谷俊山氏の汚職事件に巻き込まれたとして取り調べを受けていると伝えていた。当時他の海外メディアもこの汚職事件を報じ、軍上層部の強い抵抗で調査は難航しているとしていた。
自身らの転覆を図られた習近平・李克強政権は江一派の牙城崩しを速めている。正式発表ではないものの、汚職よりも周永康事件では政変容疑が取り上げられている。軍部元ナンバー2への調査も建前の汚職容疑から、本丸の政変容疑へと迫ったようだ。
今回、多数の情報が香港や海外メディアに流出していることから、指導部が地ならしを意図的に進めていることが伺える。ただ今後、公表する容疑の大きさによっては共産党政権の正当性が脅かされかねない。現政権も政敵を取り除く気迫はあっても、政権維持のために姑息な始末で片付ける可能性が大きい。
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