「党大会後には沈静化」 中国経済学者、対日経済制裁に否定的

2012/09/26
更新: 2012/09/26

高圧ホースで放水する海上保安庁巡視船(Sam Yeh/AFP/GettyImages)

【大紀元日本9月26日】尖閣諸島の国有化に反対する中国政府が経済制裁に踏み込むと伝えられている。しかし、今回の一連の反日の動きは政府に操作され、指導部の権力闘争が背景にあるため、経済制裁も指導部の意向に左右される。こう指摘する米在住の中国著名な経済学者・程暁農氏は23日、フランスのRFIラジオのインタビューに対し、指導部は争いの拡大を望んでいないため、対日経済制裁をすぐに全面的に展開することはないとの見解を示した。

程氏は、中国全土に広まった今回の反日デモの背後には、秋の党大会で権力奪取を狙う政治集団がいると指摘し、中には軍隊を率いるトップも含まれていると見ている。彼らは尖閣問題を利用して、平和的解決を主張する当局者に圧力をかけ、自らの勢力を拡大させ見せつけるのが目的だという。

また、今回の反日デモに大量の軍人と警察が市民を装っていたことが明らかになっていることから、その勢力は彼らを組織・制御できる者であると程氏は指摘。党大会で彼らの政治目的に決着がつけば、経済制裁を含む一連の反日行動も沈静化すると程氏は分析している。

程氏はさらに、日本製品をボイコットすることは中国では現実的でないことにも言及している。反日デモ参加者らが、日本人経営の店を破壊する光景をカメラに収める人がいたが、その使用カメラは日本製。反日宣伝を繰り返す中国中央テレビ局(CCTV)でさえ使用する多くの設備は日本製だという。

中国国民の反日感情はそれほど深刻ではないと程氏は主張。デモ参加者は、訓練された偽市民、憤青(反日感情の強い若者)と傍観心理の市民。破壊行為をリードしているのは市民に扮した軍人と警察であり、憤青らは常に政府の顔色を窺っているため、大きな力にはならない。一方、ネット上では、暴力行為を非難する声がほとんどであったと程氏は強調した。

中国が対日経済制裁を起動した場合、中国は日本との貿易利益を損なうだけでなく、国際ルールを破ったことによって、各国が中国への投資環境に対する懸念を深める恐れがあるという。それは外資が中国から撤退し、すでに低迷している中国経済にさらに追い打ちをかけることになると程氏は警告した。

(翻訳編集・余靜)