核武装を示唆する中国上級将校「米ミサイルは核抑止力の信頼性失う」

2012/07/24
更新: 2012/07/24

軍事演習中の米軍(AN HONORABLE GERMAN/Flickr)

【大紀元日本7月24日】中国軍の将校は最近、アメリカによる移動型迎撃ミサイルシステムに対抗するため、核兵器の保有量を増加させる必要性を示唆する発言をした。

中国国防大学教授で中国解放軍少将の朱成虎氏はウィーンで18日に開かれた核軍縮会議に出席し、米国の最新ミサイルシステムについて「中国の戦略的安定性を揺るがす」「核抑止力の信頼性を失うもの」と述べた。

朱氏が言及したのは、アメリカ軍の弾道迎撃ミサイルシステム。ヨーロッパをイランの潜在的脅威から保護する目的で、短中距離およびユーラシア大陸からの発射を迎撃範囲とする。戦艦に配置することも可能だという。朱氏は、この広範囲をカバーするシステムを中国にとっての脅威ととらえたようだ。

現在、中国の軍事力はミサイルに依存している。中国は現在、防衛費を押し上げて軍を近代化し、ロシアの空母を改造し、新しい潜水艦と駆逐艦を建造しているが、その間の防衛はミサイルの備蓄量に頼っている。ロイターによると、中国は130~195の核弾道ミサイルを所有すると米国は推計している。また、軍が近代化するまでの空白を埋めるため、中国は2000あまりの非核弾道ミサイルを保持し、そのうちの半分は、台湾をめぐる対米戦の備えとされている。

現在のミサイル依存型の中国の防衛策にとって、アメリカの迎撃ミサイルシステムは確かに脅威だ。朱氏の冒頭の発言は、中国軍のさらなる核武装を示唆するものと捉えることができる。

アメリカは迎撃ミサイルシステムの開発に毎年100億ドルを投じてきた。システムはヨーロッパ向けにポーランド、ルーマニアに置かれ、戦艦に装備されたものは地中海に、また対北朝鮮向けにもアジア太平洋地域に用意されるという。

ロシアも同様にアメリカのミサイルシステムを警戒している。アメリカとNATOが配備する迎撃システムはおよそ2018年までに飛行に成功し、ロシア戦闘機を破壊するだろうと、ロシアは会議にて発言してした。それはまた、ポスト冷戦勢力の均衡を覆すと非難した。アメリカは、ロシア側にリスクはないと説明した。

(翻訳編集・佐渡 道世)