【大紀元日本6月19日】中国当局は、対中投資する台湾企業に6千億元(約7.4兆円)規模の融資を行うなど多項目の優遇政策を打ち出した。専門家の間では、両岸統一のための新たな戦略だとの見方が根強い。
中国当局の台湾問題対策機関「国台弁」の王毅・主任が18日、福建省アモイ市で開催した「第四回海峡論壇大会」で明らかにした。
具体的には、工商銀行、中国銀行、建設銀行および国家開発銀行は、今後4年以内に、中国国内で投資する台湾企業を対象に総額7.4兆円の融資提供すること、中国で教育を受けた台湾人学生とその他台湾人の中国企業への就職促進や、台湾産米の輸入、台湾旅行の規制緩和などである。
王主任は「市民が両岸関係の発展から受益できるよう」と説明しているが、専門家は両岸統一に向けての中国当局の新たな戦略だと分析している。
民間シンクタンク「大軍経済観察研究センター」の仲大軍主任はボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、巨額の融資を「政府の善意」だと捉えながらも、「高付加価値の産業を誘致できなければ、従来の加工業のような産業が増えても、たいした意味がない」と疑問視している。さらに、両岸の統一を妨げる根本的な問題は政治と歴史の要素であると指摘、これらの優遇政策の効果は限定的だとの認識を示した。
(翻訳編集・叶子)
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