【大紀元日本12月29日】25日、「国民の健康に影響を及ぼす微小粒子状物質(PM2.5)の現状及びその対策」を内容としたフォーラムが、台湾大学付属病院にて開催された。PM2.5は直径範囲が2.5μm又はそれより以下の微小粒子であるため、肺など呼吸系統の深部まで到達沈着し、心血管疾病をもたらすと参加した専門家が指摘した。また、中国の大気汚染が台湾に及ぼす影響に強い関心を寄せた。
台湾大学国家発展研究所の周桂田教授は、PM2.5は毛髪直径の28分の1しかなく、とても微小であることから、肺胞を通じて直接血管に侵入して全身を回ってしまうと警告した。一方、台湾大学公共衛生学院副院長・_zhan_長権氏は、砂嵐は大量の硫化物、浮遊微小粒子状物質などの汚染物を巻き上げる。その内PM2.5は最も有毒物質が付着し易いものだと指摘した。盆地である台北市は砂嵐に見舞われる度にPM2.5の濃度が1立方メートル当たり30㎍から40~50㎍まで上昇する。
台湾大学公共衛生学院職業医学及び工業衛生研究所の鄭尊仁教授は、細胞及び動物実験でPM2.5は、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患のほかに自律神経失調症、インシュリン分泌、循環器系等への影響も大きいことが分かったと発表した。また、同大学小児科の呂立医師は、PM2.5は未熟児の出産を促すだけではなくて、児童にも同様に喘息等呼吸器疾患をもたらすと示した。特に児童の間に喘息とアレルギーが年ごとに増加しているとし、大気汚染の悪化に歯止めをかける必要があると呼び掛けた。
前出の_zhan_長権氏は毎年12月~4月まで、大陸で発生する砂嵐の25%が数10回にわたり台湾に届くため、大気への影響は大きいと指摘した。また、台湾では65歳以上の年配者が砂嵐に見舞われる日に発病し死亡する傾向にあると話した。実際、1994年~2007年の間に、33万人の国民のカルテに基づいて、年間約440人が大気中の微小粒子が原因で死亡したことが分かっている。
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