【大紀元日本12月16日】米中の通商摩擦の懸念が高まっている。中国商務省は15日、、米国産の一部の自動車が、国から補助金を受けて中国で不当に安く販売されているとして、反ダンピング関税と反補助金関税を掛けた。米政府が中国製ソーラーパネルに対して同様の措置を検討していることから、今回の中国の追加課税はその動きをけん制する狙いがあると見られる。
課税の対象となるのは、アメリカから輸入される排気量2.5リットル以上の乗用車や多目的スポーツ車(SUV)。期間は15日からの2年間。税率はメーカーによって異なり、ゼネラル・モーターズ(GM)が21.8%、クライスラーが15%、ダイムラー(米国)が2.7%、BMW(米国)が2%、ホンダ(米国)が4.1%などとなっている。
中国商務省は、これらの自動車は不当に安く販売されたため、中国の国内産業が被害を被っていると主張している。
中国政府は昨年9月、米国産鶏肉製品に50.3%~105.4%の反ダンピング関税をかける措置を始動した。その後、米国の中国への輸出が9割近く減少した。鶏肉問題をめぐって、今月8日、米政府は世界貿易機関(WTO)に課税の正当性を調査するチームの結成を求めたばかりだ。
米中間の貿易を巡っては最近、米メーカー7社が中国製ソーラーパネルが「政府支援を受けており、生産・販売コストよりも安く販売している」と訴え、米商務省が現在、追加関税を課すかどうかの調査を行っている。
今回中国が米国産の自動車に追加関税を課したことは、アメリカのこういった動きをけん制するねらいがあるとみられている。両国の製造業、雇用などに関する政策も複雑に絡み合うため、通商のみならず、課税は政治課題としても切迫している。
(翻訳編集・張凛音)