【大紀元日本11月14日】国連内の重要ポストの座をめぐり、インドと中国が再び睨み合っている。
次なる国連事務総長のポストに重要な候補者となりうる、国連の業務監査を担当する国連合同監査団(JIU)のメンバーを決める選出戦が国連内で予定されている。インドがこの役回りをしたのは1977年で、このたび返り咲きを狙う。一方、中国は2003年以来となる。
インドの候補者にはスイス・ジュネーブの国連本部でインド代表を務めるゴピナサン氏と、中国の候補者はインド大使を務める張炎氏。巨大な新興国として、国連内、つまり国際社会での声を大きくしたいという同じ野心を持つ両国は、今回の選出戦でも対決することになる。
インド紙「タイムスオブインディア」電子版11日付の報道によると、両国は候補者の当選に向けて全力を注いでいるという。ゴピナサン氏はインドで最も優秀な外交官の1人で、政府からの信頼も厚い。他方、張氏も中国を代表する経験豊かな対外交渉役の1人で、中国共産党幹部とも強いコネがあり、党内でも当選に向けて協力を募っているという。
同紙はこうも伝えている。「インドの強みはロビー活動にある。多国間組織内の重要ポストを巡り、腕を磨いてきた」とし、ゴピナサン氏は実力者の1人であるという。
しかしインドと異なり常任理事国である中国は、インドが持っていない「否決権」というカードを持つ。張氏のアピールに関しては中国外務省がどれほど動くかも影響されるが、国連内のポストは、その国でなく個人の能力が重視される。
張氏は3日、首都ニューデリーで開かれた中国企業の投資発表会の席で、領土係争地の表記問題を提起したインド人記者に対して「黙れ」と叫んだ人物として、インド国内でもその名が知られている。
この事件について、インド国内の英字コミュニティサイト「インディア・スタディ・チャンネル」の掲示板では、張氏の対応に対する批判の声が寄せられている。「ジャーナリストが疑問を呈して質問するのは当然のこと。叫び声を上げた張大使の態度を、インド政府は厳しい眼差しを向けるべきだ」とある薬学部学生は述べ、またペンネーム・Ramprasadは「国の代表である大使は、いかなる問題への質問であっても正しい対応をするべきだ。あるいは発言を控えるべきだった」などとコメントしている。