中国高速鉄道 基本的に避雷針の設置なし

2011/07/29
更新: 2011/07/29

【大紀元日本7月29日】先日起きた中国浙江省温州高速鉄道事故は、中国の高速鉄道の安全に対し警鐘を鳴らした。中国鉄道部は、今回の事故原因は信号装置の設計上の「深刻な欠陥」にあると28日に発表した。前を走る列車が落雷のため停止したにもかかわらず、信号が赤に変わらなかったため、後続の列車が追突したという。

鉄道部が認めた「信号機の不備」以外に、国内ニュースサイト・中国網は鉄道送電網の設計専門家の話を引述し、現在中国の高速鉄道の架線には避雷針がほとんどといっていいほど設置されてないと指摘。北京と上海を結ぶ最先端の京滬(けいこ)高速鉄道ですら、わずかな区間にしか避雷針は設置されていないという。

鉄道専門家、中国工程院院士の王夢恕氏は、避雷設備の欠如によりしばしば起きている落雷問題を、鉄道部門はただちに改善すべきだと指摘した。また、常軌の避雷設備は高空からの落雷を防ぐが、地面近くに現れる球電には作用を働かないので、注意が必要だと述べた。

同済大学・孫章教授は、中国高速鉄道は衝突・追突防止の安全システムを備えているが、今回温州で起きた惨劇は、中国独自で開発したこのシステムの欠陥や未熟さを証明していると指摘している。

一方、今回事故が起きた甬温線(寧波-温州間)は建設時から事故が多発しており、1年余りの間で4件の施工事故が発生し、13人が死亡、21人が負傷している。また、追突事故が発生した地点は08年の建設時、大型の移動式仮設設備が橋梁から落下し、民家3軒を押しつぶし7人が死亡するという事故が起きている。

(翻訳編集・坂本)