【大紀元日本5月4日】5月の大型連休・ゴールデンウィーク真っ只中の3日。毎年、北関東、東北へ向かう観光客や帰省客で長い渋滞がおこる東北自動車道だが、今年は震災の影響で利用客は比較的少ない。しかし時折おこる渋滞の中には、例年にない特別な車両が見られる。組み立ての済んだ仮設住宅を丸ごと運ぶトラック、「頑張れフクシマ」と車体にペイントされたミニバン、ボランティア希望者を乗せた大型バスなど、被災地を往来する復旧・復興関連の車両だ。
全国の日本教職員組合のボランティア志願者を乗せたバスは4日、東北道を利用して宮城県入りした。その中の一人、滋賀県から来た養護学校教員の田中里奈さん(24)は、「自分たちの現場でもし震災が起きたら、という教訓を得るためにボランティアに参加した。原発などへの恐れよりも、行きたいという気持ちが強かった」と想いを話した。同じバスで名古屋から来た西条香織さん(40)は、「ボランティア特別休暇を取って、5日間の日程で来た。現地で上手く役に立てたら」と述べた。
例年に比べ、旅行の自粛や余震警戒により、東北道の利用者は減少している。NEXCO東日本関東支社が28日に発表した5月大型連休の高速道路渋滞予測によると、管内道路は震災の影響で交通量が少なくなるという。
東北道那須高原サービスエリアの隣、阿武隈パーキングエリアで利用者の話を聞いた。東京都台東区在住の塗装会社経営・森さん(40代)は連休中、両親の住む宮城県石巻へ、妻と小学生の子供2人を連れて向かう。震災が起きてから2度目の訪問となる。仕事で月3回は東北を訪れている森さんだが、今も大量に残っている瓦礫の山や錆びた車両が放置されている街を見て、「元通りに戻るには何年も掛かる」と状況を見ている。しかし、「地元住民たちはそれでも前を向いている。暗い雰囲気はない。私たちも彼らに励まされたりする」と東北人の気持ちの強さを話した。
NEXCOによると、東北自動車の渋滞ラッシュは、上りも下りも3~5日がピークを迎えるという。菅直人首相は先月29日の予算委員会で、「復旧復興、元気な日本を作るために有力な選択肢」として、東北自動車道無料化実現の可能性を示唆した。
東北道の特別なIC(インフォメーションセンター) 兵庫県が設置
東北道には先月20日から、旧料金所跡地を利用した「東北自動車道ボランティアIC(インフォメーションセンター)」が設置されている。
設置主体となったのは阪神大震災を経験した兵庫県と同県のボランティア団体らだ。管理不備により人員配置ミスが起こった1995年の経験と教訓を東北で生かすべく、毎日、被災地ボランティア希望者たちに受け入れ状況や活動内容など、情報提供を続けている。地元紙・産経新聞関西版が「マンパワー交通整理」と称する同ICは、全国の支援者の想いという「供給」と、被災地のほしい「需要」のマッチングを図っている。
連休前の28日には、兵庫県加東市と播州節句人形鯉幟(こいのぼり)組合から、ぜひ同ICに掲げてほしいと、大小の鯉幟500匹が贈られた。兵庫県の井戸敏三知事によると、鯉のぼりにはそれぞれ加東市内の小中学生の激励メッセージが書かれているという。鯉のぼりが元気に泳いでいる様子が、同ICのブログや兵庫県ボランティア団体「ひょうごボランタリープラザ」のホームページに掲載されている。
東北自動車道ボランティアICに贈られた播州の鯉幟(ひょうごボランタリープラザ公式写真より)
東北自動車道ボランティアICの公式ブログはこちら。
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