【大紀元日本2月12日】イラン国内で鉄道網を敷くという総額130億ドル(約1兆円)のプロジェクトを、中国がイラン国営企業と調印した。建設する鉄道の長さは5300キロメートルに達する。英BBC(中国語版)が報じた。
同合意は中国の代表団がイランの首都・テヘランを訪れた際に結んだという。ただ、プロジェクトの締結期日や着工の時期などは明らかにされていない。
イランの原油に関しては、日本に次ぐ第二の輸入国である中国は、長期にわたりイランのインフラ建設に参加しており、テヘラン市内の地下鉄も中国が建設している。
イランの国家インフラ建設企業のホームページでは、イランへの経済制裁は、欧米国家からの投資に支障をきたしたと記している。中国も国連の常任理事国として、昨年6月には、イランへの4回目の制裁決議に賛成票を投じていた。
この制裁案は、イランの核開発の制限を目的とする。欧米諸国は、イランの核兵器開発の可能性を懸念しているが、イランはその可能性を固く否定している。
中国はこれまでイランの平和的な核開発を支持しており、イランのエネルギー産業に対する過去の制裁に不満を示してきた経緯がある。
BBCは専門家の見解として、「中国の今回の動きはイランに対するロシアの影響力を弱体化させるほか、同国への米国や欧州の影響力もけん制できる」と伝え、中国の目標は中央アジアを横断する鉄道ラインの建設であると分析している。
昨年11月の中国紙の報道によると、中国当局は中国と中東を結ぶ古代シルクロードの復活を目指しており、中国西部の新疆ウイグル自治区カシュガルから、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンの中央アジア3国を経由してアフガニスタンに入り、イランを通り抜けてトルコまで乗り継ぎなしの国際鉄道路線を整備する構想が立てられている。
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