【大紀元日本2月8日】中国の在ニュージーランド総領事がオークランドの市議会議員に、中国伝統文化を紹介する神韻芸術団の舞台には近づかないようにと書簡を通して警告した。
ニュージーランドテレビ3チャンネルの報道によると、中国総領事館は同市の市議会議員20人全員にこの書簡を送った。同テレビ局の制作チームは本件について中国総領事館に取材を申し入れたが、総領事は本件に関するいかなるコメントも拒否している。
ニューヨークを拠点とし、海外の中国人アーティストが加盟する「神韻芸術団」は、現在、失われつつある中国伝統文化の神髄を、「純善、純美」をテーマとした伝統舞踊や音楽を通して復興している。ニュージーランドでは、2月3日から5日にわたりオークランドで4回公演が行われたが、それ以前の出来事だった。
外交官として不適切な行動
書簡の差出人は、廖菊華(リャオ・ジュフア)総領事。丁寧な言葉ながら、神韻を中国共産党を中傷する舞台として強い言葉を用い、このイベントには近づかないようにという要請で締めくくられている。
同書簡を受け取ったキャシー・ケイシー議員は「神韻芸術団は我々の招いたゲスト。中国総領事は、ニュージーランドの国民から選出された議員をこのように左右できると思っているのだろうか」と 外交慣例を破るものとして本紙記者に憤りを表している。
「卑劣な行為で政治的な干渉。このような中国からの干渉
中国の在ニュージーランド総領事がオークランドの市議会議員に送った警告の書簡(写真・大紀元)
は止めさせるべき」と、2月2日付けのオークランドのオンライン紙「スタッフ」Auckland Stuff.co.nzの記者にも同議員は語っている。
ケイシー議員は正式な苦情をオークランド市議会の会長と領事館組織の総責任者に提出した。「この書簡を出すという行為は、領事館と市議会の提携に違反するもの。オークランドの公演に行くなという権利はどこにもないはず。外交官として極めて不適切な行動。中国総領事館がオークランドの市議会の政治に干渉することに憤慨している」と語る。
オークランドに神韻芸術団を招いた新唐人文化芸術交流センターは、「中国総領事館のこの書簡は神韻公演を傷つけ、干渉しようとする手紙であり、百聞は一見にしかず、ぜひ、会場に足を運んで神韻の公演をみればよい」とコメントしている。神韻が復興させようとしている伝統文化はまさに中国共産党政権によって破壊されてしまったものである。
「中国共産党政権は、過去数十年間にわたり系統的に破壊してきた中国の真の伝統文化をニュージーランドの人々が見ることを妨害しようとしている」という同センターのコメントを「スタッフ」の記事も伝えている。
中国共産党は、世界の中国大使館・領事館を通して、神韻の公演を阻止しようとしてきた。2007年の初公演から現在までのわずかな期間で、中国領事館の高官が選出された議員らを恐喝する書簡を送り付けたケースはこれまで 数多く報告されている。
プレスリリースを発信
また、グリーン党の外務担当スポークスマン、キース・ロック国会議員は、中国領事館がニュージーランドの政治家にプレッシャーをかけていることに懸念を示すプレスリリースを、2月2日に発表している。
「中国政府を代表するものが、ニュージーランドの人々、特に選出された政治家に、文化的な公演に参加すべきではないというプレッシャーをかけることは、受け入れられない行為。中国国内で行われている検閲の一環と思われるが、ニュージーランドではこのような検閲はなく、強く異議を唱える」とロック議員は電話のインタビューに応じて語った。
ロック議員は、神韻を鑑賞すべきではないという、無記名の手紙を一連の中国人団体から受け取った。オークランドにある中国系団体がオークランドの領事館とともにこの件で行動しているようだと同議員は指摘する。中国の領事館高官がこれらの団体を利用して他国の社会に影響を与えようとする例は、これまでも報告されている。
大紀元では、多くの議員に連絡を入れたが、この手紙のために神韻公演を敬遠することはないと答えている。威圧的な行為であり「同書簡は、中国が民主化の道を歩んでいない事実を人々に印象づけたに過ぎない」とロック議員は指摘する。
ケーシー議員は廖総領事からの書簡をフェイスブックで回覧。市議会議員の一人が「ハハハ、なんという冗談だろう」と揶揄したコメントを書き込んでいる。
ニュージーランドの中国大使館に取材を申し込んだが、返答はない。
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