【大紀元日本2月5日】激しい反政府デモにより、混迷が続くエジプト。少数の大統領支持派も存在する一方、大統領の即時退陣を求める20万人規模の反対派が4日、首都カイロのタハリール(解放)広場で「追放の金曜日」と銘打った大規模集会をおこなった。インターネットで連日世界に配信されるエジプト現地の様子について、中国国内にいる民主活動家や体制批判者は、89年「六・四天安門事件」の光景と重ね合わせ、エジプトのムバラク大統領を「ム小平(ムは穆の字)」と呼んで、現在、ツィッター上を賑わせている。
「ム小平」とは、「六・四」で学生らへの武力弾圧を命じた_deng_小平・中国共産党中央軍事委員会主席(当時)の名前にちなんだもの。
中国国内からのアクセスがブロックされているツイッターだが、多くのユーザーが封鎖を乗り越えて利用している。その中のある国内ユーザーは、次のようにつぶやく。
「ム小平がいつまでも政権にしがみつけば、他の独裁者たちもそれを真似て、世界の民主化は一層困難になる」
「六・四」の時、中国軍の戦車の前に一人で立ちはだかった青年の姿は、中国民主化運動のシンボルとなっている。それをふまえて、あるネットユーザーは、「見よ。エジプトの天安門の勇士が、装甲車に立ち向かっているぞ!」と、ツイッターで声を上げる。
一方、中国の官製メディアは、「街頭で燃え上がる車両」の映像ばかりを放映しており、これら一連の事件を、「エジプトの混乱」として国内に印象づけようとする意図が読み取れる。
中国共産党機関紙「人民日報」は1月28日、「(アフリカ)地区の『安定装置』であるエジプトが混乱することは、誰に対しても良くない」と題する文章を発表した。
同文の中で、「西側の国家が、エジプト国内における反政府デモを助長することがあれば、それは反対派にとって声援を受けるに等しい」と述べて、自由主義圏である西側からの影響をけん制するとともに、「エジプトは混乱しえない国である。エジプト政府は、国家の安全と社会の安定を破壊しようとする先導者を、法律によって取り締まるべきだ」と、反政府デモを抑圧する側に立とうとする中国共産党の思惑が窺える。
いずれも、エジプト国民による反政府の動きが中国民衆に22年前の「六・四」を想起させ、中国国内に反共産党政権の火が燃え上がることを、当局が極度に恐れていることの表れと見られる。
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