中国大使館が妨害する伝統芸能の公演、韓国で予定通り開催へ

2011/01/22
更新: 2011/01/22

【大紀元日本1月22日】中国大使館から中止を求める妨害を受けていた神韻芸術団の韓国公演は予定通り、プサン(釜山)市で19日に開幕した。ここにきて、中国側による新たな妨害工作が公表された。

主催者によると、プサン市の公演を中止できなかった中国総領事館の金燕光・副総領事は20日、次の公演都市であるテグ(大邱)市の市役所を自ら訪れて、公演の中止を再び要求した。そして、同市役所はその要求を再び断った。怒った同副総領事は「もし公演を行えば、大事件が発生する」と脅しに出たが、対応した同市役所関係者は、「公演を中止させれば、さらなる大事件が発生する」と言葉を返したという。

一方、韓国国内メディアの本件に関する一連の報道を見て、初めて公演の情報を知りチケットを購入した観客も多くいるもよう。

そのうちの一人、李海珠さん(女)は釜山公演を鑑賞した後、本紙の取材に対し、「美しすぎるといっても過言でない公演です。もっと多くの友人に薦めていきます」などと語った。

企業経営者の李哉泰さんは、「こんなに素晴らしい公演を中止させる理由はどこにもない」と語った。

今年の韓国公演はプサン、テグ、コヤン(高陽)の三つの都市で行われる予定。これまでの主催者側の発表によると、中国大使館は各公演会場と地方政府に圧力を講じて、会場の使用契約を破棄するよう要求し、「公演を開催させれば、中韓両国の外交関係に悪影響を及ぼす」と脅した。テグ市とコヤン市は当初から、中国大使館の要求に応じない態度を示したが、プサン市は中国の圧力に屈して会場の使用契約を中止すると公演主催者に通達した。

公演の主催者である韓国法輪大法学会は、プサン市のこの通達にはいかなる法的効力もないとして、通達の取消を求める司法訴訟を起こした。プサン市地方裁判所は同学会勝訴の判決を下し、プサン市に対し会場使用契約の履行を命じた。その結果、プサン市での公演は予定通り行われた。

ニューヨークを拠点とし、海外の中国人アーティストが加盟する「神韻芸術団」は、共産党政権に破壊された中国伝統文化の神髄を復興することを目指している。主催者側によると、同芸術団は毎年世界ツアーを行っているが、その度に中国当局の度重なる妨害工作を受けてきた。

日本でも2006年から毎年神韻公演が行われているが、会場への匿名の嫌がらせ電話が絶えないという。主催者は、協賛となる団体や企業も、中国大使館からの圧力を受けているなどと指摘している。 

(翻訳編集・叶子)