【大紀元日本1月5日】北朝鮮の金正日・総書記はかつて、中国を信用していないと発言したことや、米国の外交訪問者に迎合するために、朝鮮民謡の代表作であるアリランの公演内容を修正していたことが、3日、ウィキリークスが公開した米外交公電で明らかになった。
関連の外交公電は駐韓国米国大使館が2009年8月28日に発送したもの。
韓国紙・朝鮮日報の関連報道によれば、韓国の大手財閥企業・現代グループの玄貞恩・会長が同年8月に北朝鮮訪問後、8月25日に駐韓国米大使キャサリン・スティーブンス氏と朝食会を行った。同公電はその席の談話内容を記録したものである。
玄会長がスティーブンス米大使に金正日・総書記との談話の内容を伝えた。それによると、総書記は、「北朝鮮と交渉する韓国の統一部は、『北朝鮮のことを知らない』外交部に舵を取られてしまった」と不満を漏らしたという。
また、総書記は、南北関係が窮地に陥った最大の原因は互いに信頼しないこととし、玄会長に対し、「(韓国の)李明博・政権はなぜ、前政権の経験を採用しなかったのか」と質問したという。
総書記はまた、2000年と2007年にそれぞれ、韓国の当時の金大中・大統領と盧武鉉・大統領と協議に達したことに言及し、「協議に署名した韓国の2人の元大統領は皆死去したのに、私はまだ生きている」と話したもよう。
総書記は、李明博・政権は「開城・工業地帯」の潜在力を知らないとし、そのことは理解できないと話した。同工業地帯は南北境界線から数キロ離れた北朝鮮の国境にあり、面積は6400ヘクタール。現代グループが北朝鮮と協議して1999年に建設したのである。南北の経済協力のシンボルともされている。
総書記は玄会長に対し、韓国大手企業がなぜ同工業地帯に進駐しないのか、なぜその発展に「無関心なのか」と質問したという。
それに対して、玄会長は、「韓国企業の多くは米国企業とビジネスを展開している。現在の米朝両国の政治状況下において、両国と共にビジネスすれば、多くの複雑な問題を引き起こす」と答えた。
金総書記は「日朝の関係は史上最悪な状況にある」とも話したという。玄会長は北朝鮮幹部の話を引用して、総書記は一時、日本製自動車の走行を禁止していたという。
また、中国について、総書記は「中国を信用していない」と玄会長に話し、これ以上を語らなかったという。
朝鮮民謡の代表作であるアリランの公演について、金総書記の話では、米国人の好みに合わせて、一部の演出を修正したり、米国人がミサイル発射の場面を好まないと知って、この内容を省いたりしたという。また、アリランの出演者に軍人が多すぎると韓国人が嫌っているのを聞いて、一部に学生を起用したということも、総書記は話したという。
同外交公電が公開された直後、現代グループは反応を示した。玄貞恩・会長と米大使の対話のなかりの部分は歪曲されて、多くの内容は事実に基づいていないと反論し、玄会長は「金正日氏が中国を信用していない」と発言したことは絶対ないと主張している。
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