【大紀元日本8月18日】日本の内閣府の16日の発表によると、今年第2四半期の日本の実質国内総生産(GDP)は1兆2800億ドル。中国の1兆3300億ドルを下回った。また、日本のGDP成長率は前四半期比0.4%。中国の成長率を遥かに下回るため、中国の2010年のGDPが日本を超えることはほぼ確実となった。
急成長に伴う代価が巨大
急成長するGDPを作り上げた経済モデルは今後の経済成長の足かせになりかねない、と憂慮する中国の専門家もいる。北京大学経済学教授の夏業良氏は米VOAのインタビューに対し、中国は世界の「大国」になるため経済規模の拡大にこだわってきた結果、資源消費型の経済モデルを採用。持続可能な道をたどっていないと指摘した。
中国は25年間、9.5%以上の年間成長率を打ち立て続けて来た。この尋常ではない急成長は、資源の投入に依存しており、「中国模式」とも呼べるこの成長モデルはもはや限界に達していると夏教授は話す。過度な資源利用は資源の枯渇や環境汚染をもたらし、水・空気・土壌に与えたダメージを取り戻すためには、さらに多くの投資を要し、急成長に伴う代価が巨額になることを夏教授は指摘した。
今後の発展に大きな障碍
このような高額投資、資源の消耗を代価とする「粗放型」の経済成長モデルは、経済手段のみに限らず、政治的な介入も含まれていると同氏が話す。投入した資源は国有企業に集中しており、民営企業の発展が大きく制限されている。市場経済から離れた資源消費型の「中国模式」は、今後の経済発展の大きな障碍になると夏教授は述べた。
「これらのことで私たちは中国経済の発展に隠されているリスクを憂慮している。中国経済のバブルの存在に不安を感じており、その尺度は主に不動産市場にある」と夏教授は示す。
その一例として、今年上半期のGDP成長率が11%であるのに対して、不動産投資は政府の厳しい抑制政策が実施されたにもかかわらず、成長率が38.1%に達していることを同氏は指摘。
中国社会科学院金融研究所の易憲容・研究員も同様に憂慮している。「不動産バブルが弾けないかぎり、GDPの数字を論じても意味がない」と易氏は指摘。「政府は不動産市場の抑制政策を採る一方で、不動産市場の成長率でGDPの数字を牽引させようとしている」という。GDPの数字を幹部の業績評価に用いる考えを改めない限り、数字をやたらに追求する風潮が変わることはないだろうと同氏はコメントしている。
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