「一人っ子二世」 中国の未来は?

2010/07/13
更新: 2010/07/13

【大紀元日本7月13日】1970年代から中国で導入された一人っ子政策(夫妻一組に対し子供を一人しか持たない)で誕生したのが「一人っ子世代」。そして2010年に入った今、30歳代となった「一人っ子世代」は相次いで結婚し、子供を授かっている。彼らの子女は「一人っ子二世」(中国語では「独二代」)と呼ばれ、新たな社会現象を巻き起こしている。

兄弟の絆を知らずに育った「一人っ子世代」は、利己的で非協力的であるなど多くの非難を浴びているが、「一人っ子二世」はさらに深刻な社会問題を引き起こすのではと、危惧されている。

寵愛の極みにいる「一人っ子二世」たちは親の世代に比べ、さらに豊かで恵まれた物質環境で育つ。「一人っ子二世」の典型的な家庭構成は、「大人6人(両親、両方の祖父母)に対して子供1人」だ。両親が忙しいため、祖父母が代わりに子育てをするケースが多い。祖父母の溺愛により、子供の自立能力が欠如するなどの悪い習慣がもたらされている。家のものは全て自分一人のためにあり、他人と分かち合う概念を形成する機会がないため、「一人っ子二世」は、利己的で私利私欲をむさぼる傾向にあるとも言われている。

また、高層ビルの急増も子供たちの自然な交流を遮っている。子供たちの中には、他人とのコミュニケーションが取れないタイプも多い。「一人っ子二世」は両親の世代よりさらに複雑な社会に直面し、外部からの圧力も前世代より大きい。

兄弟姉妹の絆を知らず、「おじ」も「おば」もいない、一種の「孤児」ともいえる「一人っ子二世」。他人の気持ちを汲むことを学ぶ機会も限られ、挫折を乗り越える能力も低いと指摘されている。

「一人っ子二世」はどうやって激しい競争社会で生きて伸びてゆくのか。現代中国の抱える今後の深刻な課題だ。

(翻訳編集・李頁)