【大紀元日本6月26日】23日からカナダを公式訪問中の中国の胡錦濤・総書記を、カナダ各地の中国人留学生と華僑が数千人規模で歓迎したニュースが、現地の中国語新聞紙や中国国内メディアに報道された。留学生らがバス代やホテルの宿泊費まで自費で遠くから駆けつけた自発的な歓迎とされたが、実は、駐カナダ中国大使館が参加費用の全額負担を条件に動員したもので、目的は「民運」や法輪功団体の抗議活動を「圧倒」するための「政治的な戦い」である。本紙が入手した大使館主催の内部激励会の録音で判明した。
「政治的な戦いだ」
この録音テープは、今月18日に首都のオタワにある駐カナダ大使館内で、カナダに派遣されている公費の訪問学者と留学生50人余りを対象に、大使館教育部の一等秘書・劉少華氏の激励発言を記録したもの。
「その後国会議事堂に移動し(広場の)東側を占める。法輪功は西側にいるが(中略)、人数上我々が彼らを圧倒するだろう」と劉氏が話す。「これは戦い、政治的な戦いである」と同氏は強調する。
「今回の情勢も、我々の想定よりかなり厳しい。祖国の栄誉を守るこの戦いで、大使館も国内も、今回の歓迎活動を大々的に行うことを要求している」と説明、「公費の訪問学者と留学生は国に恩返しするときが来た。自費の留学生よりあなたたちの責任はもっと重大で、全員が(歓迎活動に)参加しなければならない」と通達した。
2005年、胡総書記がオタワを訪問した際、行く先々で、法輪功やその他の人権団体の抗議に出くわしたため、中国政府の怒りが収まらなかったもよう。
また、録音で、活動の目的の一つは、胡錦濤主席がカナダ訪問中の「全日程で」歓迎者団体を目にできるようにすることだと同氏が漏らした。
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旅費、宿泊、食事、手当まで全額負担
同録音で劉秘書は、参加費用について次のように話した。
「あなたたちの参加费用のすべて、宿泊費、食事代も含めて、大使館が全額を負担する。ここだけの話にしてください。外にはこのことを漏らさないでください。実際には、そのほかの参加者の費用も同様に負担している。国にとって、この金は大した額ではない。これは政治的な戦いなのだ」
「インターネットでは、大使館に行けば金をもらえるなどの書き込みがあるが、それはとてもよろしくない。一部の人は経験がない。わかっていないからだ」など。
同氏の話によると、他の地区からオタワに来る人たちは設備のよりよいホテルで宿泊する。参加者全員に、23日から25日の間の食事やレンタルカーやバス代、更に手当まで支給するという。
欠席してはならず
録音テープのほか、駐カナダ中国大使館教育部の張宝鈞・領事から、公費の訪問学者と留学生宛ての電子メールも本紙が入手した。同メールでは、「今回の歓迎活動は意義重大で」「特別な事情で参加できない場合、大使館の担当者に理由を説明しなければならない」などと通達した。
今回の歓迎活動の参加者は主に留学生と華僑の2種類で、モントリオールや、トロント、オタワ、ワーテルローなど各地から集められたもよう。
本紙に寄せられた情報によると、各地の領事館は、これらの「自発的」な参加者に対し、綿密な計画とスケジュールを作成し、管理している。毎日の歓迎活動の具体的な時間帯、場所、参加者の名簿、各地の参加人数、さらには欠勤した人の詳細情報も含まれるという。
また、今回の胡錦濤・総書記のカナダ訪問に際して、中国大使館がカナダ政府に圧力をかけ、訪問中の抗議活動を制限するよう求めた、との劉秘書の話を伝える内部情報も寄せられている。
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