【大紀元日本3月8日】立春以来、中国西南部各省では干ばつの悪化が続いている。一部の地区では大干ばつにより、昨年の秋冬作付け農作物の90%が被害を受け、1100万人と大型家畜612万頭の飲用水確保が難しい状況だ。特に雲南省では09年秋冬作物の被害面積は90%の1千万畝(1畝:6・667アール)で、東京ドーム1426個分以上。干ばつが深刻な地区では水の使用制限が公布され、水を大量に使用する企業は緊急に稼働停止を命じられた。
この先数日間、雲南大部、四川南部、貴州西南部、広西チワン族自治区西北部などの主要干ばつ地区では降水が無く、平均気温も例年同時期に比べ1~2度高くなるため、干ばつはしばらく続くと予想される。
雲南省では、雲南省政府は、今年3月、4月、5月の全省の水不足人口をそれぞれ792万人、951万人、1014万人と予想。干ばつの影響で秋冬作物の被害面積は9割に達している。山岳地域の秋まきも収穫の見込みがなく、ダム区作物の成長も芳しくない。全省秋まき作物の収穫は50%以上、サトウキビは20%以上の減産と予想されている。干ばつによるダム貯水量の急激な減少により、トウモロコシなどの春まき作物は作付けが難しい状況だ。この干ばつによる新たな食糧不足人口は331万人で、全省の秋夏期間には合わせて714・78万人の食糧が不足し、例年に比べ46・31%増となる。
今年の干ばつについて、在独中国環境問題専門家である王維洛氏は、多くの水資源体系が深刻な破壊を受けたことに深くかかわりがあると見ている。
「今年の中国西部地区における非常に大規模な干ばつは、青藏高原の破壊によるものだ。長江上流の金沙江、ランチャン河、ヌー河の水量も例年に比べて少ない。いくつかの大河の源流地区は、非常に深刻な環境破壊を受けており、間違いなくこれが原因で大河の流量が減少している。最近の中国の研究報告によると、中国の一部地区の降雨量の減少と、過度な大気中への塵の排出に関連しているという。東北地区は中国でも比較的降雨量の多い地区だが、研究では降雨量が明らかに20%減っている」
全国の干ばつの特徴は南の方が北よりも深刻で、被害を受けている地区も集中している。人や家畜の飲用水確保が困難で、干ばつが長く続き、損失も大きい。干ばつによる被害は農村地区が多いが、政府の救援は行き届いていないと王氏は指摘する。
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