新型インフルに変異ウイルス=ノルウェー

2009/11/22
更新: 2009/11/22

【大紀元日本11月22日】ノルウェー公衆衛生研究所は20日、新型インフルエンザ(H1N1型)に感染した3人の患者から、変異したウイルスが確認されたと発表した。「変異によってウイルスが気管の奥深くに感染しやすくなり、より深刻な症状を引き起こす可能性がある」と同研究所は報告している。

報告によると、同研究所は、新型インフルエンザで死亡した2人と、重症化した1人から変異ウイルスを検出した。その後、他の重症化した患者70人のサンプルをテストしたが、変異は見つかっていない。

ノルウェー公共衛生協会の声明によると、この突然変異によりウイルスは呼吸器系統に深く侵入し、さらに深刻な症状を引き起こす恐れがあるという。

この突然変異したウイルスがヒトの間で感染するかどうかは明らかではないと同協会は伝えている。

報告を受けたWHO(世界保健機関)のグレゴリー・ハートル氏(Gregory Haertl)は、「これまでのところ、変異ウイルスが、新型インフルエンザ感染者の異常な増加や、重症患者の大幅な拡大につながる兆候はない」と話している。

WHOによると、同様の変異はブラジル、中国、日本、メキシコ、ウクライナ、米国でもすでに発見されている。同機関は、変異ウイルスに対して、ワクチンが効果を発揮するとの見解を示す一方、欧州諸国ではその効果を疑問視する声も上がっている。

WHOが20日発表したデータによると、現在までに新型インフルエンザに感染して死亡した患者は6,750人に上っている。

人口からみれば、ノルウェーは他の欧州諸国に比べ、新型インフルによる死者が比較的多く、H1N1型感染による死亡と確定された人が23人いる。

現在は、新型インフルの北半球での流行初期段階にあり、ノルウェーでは大規模な予防接種も展開されていなかったため、大きな影響を受けたと衛生局は述べている。同国衛生職員は、他の欧州諸国に比べノルウェーでの新型インフル死亡例が多い原因を研究する必要があり、それによって入院患者の治療方法の強化を決定していくべきだと考えているようだ。

(翻訳編集・坂本)
関連特集: 国際